Francais 日本語
イル=ド=フランス美術館〜ソー公園〜バックナンバーを読む
informations 3 2 1

▲カロリーヌ・ミュラのベッドが置かれた部屋
©A. de Montalembert

次の半円形の部屋には、1848年に破壊されたヌイイのかつての王宮に関連するものが展示されています。ヌイイの宮殿には、ナポレオンの妹カロリーヌ・ミュラ(1782-1839)が住んでいました。展示されているマホガニーと黒檀、彫刻し金箔を施したブロンズの豪華なベッドはカロリーヌのもので、1804年から1813年にフランソワ=オノレ=ジョルジュ=ジャコブ・デマルテ(1770-1841)が制作しました。


▲イル=ド=フランスの風景画が飾られた部屋
©A. de Montalembert

また、19世紀から20世紀のイル=ド=フランスの風景画も展示され、古典派から有名なバルビゾン派、印象派や新印象派までの流れを追うことができます。たとえば、バルビゾン派を代表する画家ポール・ユエ(1803-1869)は、フォンテーヌブローの森に行き、光のバリエーションを観察しながら木々を描きましたが、ここにはユエの作品が40点ほど所蔵されています。バルビゾン派は、やがて印象派へとつながっていきますが、その典型ともいえる素晴らしい作品を描いたのが、エマニュエル・ダモワ(1847-1916)です。《ナンテールのセーヌ川》では、テラスに座った女性が船や水の動きを眺める様子が、細かいタッチを併置して表現されています。
続く小さな角部屋には、たくさんの模型が展示されており、今よりもずっと大きかった、かつてのソー城の姿を見ることができます。廊下に置かれた展示ケースには、さまざまな製陶所(サン=クルー、シャンティー、ヴァンセンヌ、セーヴル)の18世紀の陶器と、20世紀の陶器が展示されています。

美しい庭園、そしてオランジュリーやロロール館といった興味深い建物のあるソー公園は、「優美さと威厳、過去と現在、伝統と近代性、自然と文化」といったさまざまな要素を併せ持つパリ圏の至宝のひとつといえるでしょう。
敷地内には、庭園や城のほか、図書館や図像コレクション、データベースがあり、一般に公開されています。
夏には数多くのイベントが催されますが、中でも野外オペラが行われる音楽フェスティバルはおすすめです。

友情を込めて。


▲展示室の様子
©A. de Montalembert

▲オランジュリーの脇にある花壇
© CSI / E. Bartolucci

前のページへ    
ページトップへ