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日本のコレクション 注目の3作品 日仏交流 150周年 記念連載 日仏芸術交流の架け橋
椿と蝶の模様の平鉢
©Irène Andreani /
Musée Cernuschi / Roger-Viollet
 
©Musée Cernuschi / Roger-Viollet
  木村度雲「龍の香炉」
©Philippe Joffre /
Musée Cernuschi / Roger-Viollet
         
椿と蝶の模様の平鉢   古今著聞集   木村度雲「龍の香炉」
古九谷様式の色絵磁器
有田、日本
10×42.5cm
江戸時代(1605-1868)初期、1640-1650年頃
MC3363. 1896年アンリ・チェルヌスキ遺贈

  彩色画入り写本、20巻
22.5×16cm
日本
17世紀末-18世紀初頭
M.C.4738 1896年アンリ・チェルヌスキ遺贈

  76×76cm
日本
「度雲鋳」とうん の銘あり
M.C.2082 1896年アンリ・チェルヌスキ遺贈

黄、緑、紫、赤、茶、青などの豊かで重厚な色調が古九谷の特徴です。この皿は、同心円を描くように三彩で彩色されています。中央の椿の枝と、そのまわりを舞う蝶が、青手古九谷の皿によく見られる松葉模様の上にくっきりと浮かび上がっています。ふちの内側は菊の花の装飾模様が描かれ、裏面には、伝統的な装飾、菊の唐草模様が描かれています。高台には、「福」の字が明るい緑の地に記されています。   かがり綴された本の形態の彩色画入り写本は、「奈良絵本」あるいは「奈良の挿絵本」と呼ばれ、室町時代末(15〜16世紀)から18世紀後半に流行しました。これらの作品は大和絵で装飾されています。古今著聞集は橘成季作とされ、1254年に成立しました。説話や思い出を集めたもので、平安時代の儀式や礼儀作法、風俗などを分類配列しています。この種の作品には、平安時代に発達した大和絵様式の挿絵が使われました。この奈良絵本は17世紀末、あるいはおそらく18世紀初めのものと考えられています。奈良絵本が数多く制作された時代の末期のものであるにも関わらず、非常に丁寧に描かれており、76点を超える肉筆彩色画が掲載されています。   木村度雲(19世紀前半に活躍)は、初代村田整aの弟子で、1829年、整aの後継者に選ばれました。度雲は二代目村田整aを名乗り忠義を尽くします。二人は、文化文政年間(1804-1830)の日本において、ブロンズ工芸の復活に貢献しました。ブロンズ工芸の復活は、香炉や生け花用の花器など家庭で使用する品から、趣味のもの、置物などへの受容が高まったことと関連しています。度雲の銘の入ったブロンズは、西欧のコレクションにいくつも見られ、チェルヌスキコレクションにも龍の香炉から一般的な花器まで複数の作品が含まれています。
   
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