「フランス絵画の19世紀」展 その見どころと展覧会レポート
6月12日、横浜開港150周年と横浜美術館開館20周年の記念展覧会として
幕を開けた「フランス絵画の19世紀」展。
本展は日本では馴染みの薄い、アカデミスム絵画に触れる絶好のチャンスです。
今回は、横浜美術館の主任学芸員、新畑泰秀氏にその見どころを教えていただきながら、
開幕初日の展覧会レポートをお届けします。

19世紀フランス絵画の 本質が見える展覧会

主任学芸員、新畑泰秀氏による見逃せない4作品

「フランス絵画の19世紀」展  開幕初日レポート

19世紀フランス絵画の本質が見える展覧会

 19世紀のフランス絵画界は、印象派をはじめとする当時の“前衛”だけが活躍した時代ではありません。そうした“前衛”と対峙する「アカデミスム」と総称される保守的な流れこそが、画壇においてはむしろ主要な立場にありました。しかし、ことに日本において、それを視覚的に実感できる機会は、まずありませんでした。それは、ひとえに巨大かつ各所に散らばるアカデミスム絵画を、ひとつの場に集めて展示することの物理的な難しさによるものでした。
 横浜美術館で開催中の「フランス絵画の19世紀」展は、これを克服するために企画・立案され、長い準備期間を経て開催に至った展覧会です。すなわちアカデミスムの画家たちの作品を本格的に紹介し、さらに私たちが慣れ親しんできた印象派などの作品とあわせて展示することによって、19世紀フランス絵画の本質を再検証しようとする試みなのです。
 今回展示されるアカデミスム絵画の重厚な表現は、西洋人が美学の規範と位置づけた古典的な絵画遺産が、近代においても生き続けていたことを物語っています。これらと印象派をはじめとする“前衛”は、対立しつつも互いに関係を持ち、影響も与えあっていました。その豊かで錯綜した全体こそが、新しい時代を切り開く、19世紀フランス絵画史の総体を形成していったのです。

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フランス絵画の19世紀展

  • 会期
    2009年6月12日(金)〜8月31日(月)
  • 会場
    横浜美術館
  • 所在地
    神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
  • Tel
    045-221-0300
  • URL
    美術館 http://www.yaf.or.jp/yma/
    展覧会 http://www.france19.com/
  • 開館時間
    10:00-18:00
    *金曜は20:00まで。
     入館は閉館の30分前まで
  • 休館日
    木曜日
    *ただし8月27日(木)は開館
  • 観覧料
    一般:1,400円
    大学生、高校生:1,100円
    中学生:800円
    小学生以下:無料
    *毎週土曜日は高校生以下無料
    (生徒手帳、学生証要提示)

MMFで出会える フランス絵画の19世紀

  • MMF3Fギャラリーでは7月2日から「カルコグラフィーで見るアカデミスム」を開催します。詳しくはこちら≫
  • MMFのB1Fインフォメーション・センターでは、「フランス絵画の19世紀」展のカタログを閲覧いただけます。

  • MMFブティックではこの展覧会のチケットを販売しています。

 

*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。