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オーヴェル=シュル= オワーズのゴッホを訪ねる

ゴッホの家、ラヴー亭

芸術家が集ったオーヴェルのカフェ、ラヴー亭

▲オーヴェルの中心地に建つラヴー亭
© Institut Van Gogh

 オーヴェルでの“ゴッホ巡礼”の際に、ゴッホファンなら必ず立ち寄りたい場所、もしくはその目的の場所とされるのが、ゴッホが人生最後の10週間を過ごしたラヴー亭です。ゴッホはオーヴェルでの滞在期間中、カフェ兼ワイン販売のラヴー亭の家具付きの小さな屋根裏部屋に下宿をしていました。食事付きで1日3フラン50サンチームという安い宿泊代、それでいて手入れが行き届いていたラヴー亭は、決して恵まれた経済状況になかった画家にとっては、十分な下宿先でした。

 ゴッホがオーヴェルにやって来る前年の1889年、現在もその名を店名に残しているアルチュール=グスターヴ・ラヴー(Arthur-Gustave Ravoux)は、村の中心に構えるこのカフェの営業権を購入しました。ラヴー亭の2階と3階のいくつかの部屋には芸術家たちが下宿し、カフェの奥にあるホールは、絵を仕上げるために利用されていたといいます。ゴッホは控え目ながらもラヴー亭の人々と親しくなり、オーヴェル滞在中にラヴー家の娘アドリーヌを3度ほど描いています。

▲19世紀当時のラヴー亭(左端がラヴー本人)
© Institut Van Gogh

 オーヴェルにはゴッホの理解者も多く、弟テオに、ぜひ家族でオーヴェルに訪ねて来るようにと手紙を送っていたことからも、ゴッホはラヴー亭での生活を比較的気に入っていたことが想像されます。

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ゴッホの過ごしたラヴー亭の屋根裏部屋

▲現在のラヴー亭の店内
© Institut Van Gogh

 ラヴー亭はゴッホの死後、次々と所有者が変わり、建物の風情やカフェの活気は失われていく一方でした。しかし、1952年にタグリアナ夫妻 (Roger et Micheline Tagliana) が店を購入すると、カフェは少しずつ活気を取り戻していきます。1954年にはラヴー家の娘アドリーヌの協力のもと、ゴッホの部屋の復元も行われました。そして1987年、現在の「ゴッホの家」(Maison de Van Gogh)の所有者で、インスティチュート・ファン・ゴッホ(Institut Van Gogh)の創設者、ドミニク=シャルル・ジャンセン(Dominique-Charles Janssens)がラヴー亭を購入し、より本格的な復元工事を行います。この大規模な工事によって、1階のカフェ、そして屋根裏部屋のゴッホの部屋は、ゴッホが住んでいた頃の趣を最大限に取り戻すことになったのです。

▲当時の様子を取り戻した現在のラヴー亭の外観
© Institut Van Gogh

 ラヴー亭の薄暗い階段を3階まで上がると、階段の正面に現れるのがゴッホの住んだ屋根裏部屋です。小さな天窓のある7uの簡素な部屋にゴッホは10週間宿泊し、ここで息を引き取りました。椅子が1脚置かれただけの飾り気のないゴッホの部屋は、訪れる人々のイマジネーションをかき立て、ゴッホの存在を感じさせてくれます。この部屋の隣にはゴッホと同郷のオランダ人画家ヒルシフ(Anton Hirschig)の部屋があり、当時の調度品で飾られています。また、突き当たりのホールにはオーディオビジュアルが設けられており、ゴッホの手紙の引用とともに、ゴッホがオーヴェルで描いた作品をスライドショーで鑑賞することができます。

▲階段に面したラヴー亭3階のゴッホの部屋
© Institut Van Gogh

 現在ゴッホの家では、ある魅力的なプロジェクトが進行中です。ゴッホの部屋の壁の一面には絵画作品を最良の状態で保存し、展示するための展示ガラスが設置されています。「どこかのカフェでいつか僕の個展が開けると思う」。ある日、ゴッホはそう綴った手紙を弟テオへと送りました。ゴッホの家ではそんな画家の夢を実現するべく、ゴッホの作品を購入するための寄付を募っています。

Update :2010.6.1
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オーヴェル=シュル= オワーズへのアクセス

  • パリGare du Nord駅またはSaint-Lazare駅からPontoise行きの電車に乗り、Pontoise駅で下車、続いてAuvers-sur-Oise方面に乗り換えGare d'Auvers駅下車。
  • パリGare du Nord 駅からValmondois行きの電車に乗り、Valmondois駅で下車、続いてAuvers-sur-Oise行きに乗り換え。
  • 2010年4月3日から11月1日まで、週末・祝日に限りパリ北駅(Gare du Nord)とオーヴェル=シュル=オワーズ駅(Auvers-sur-Oise)間の直通電車有り。

オーヴェル=シュル= オワーズ観光案内所

  • 所在地
    Manoir des Colombières
    rue de la Sansonne
    95430 Auvers-sur-Oise
  • Tel
    +33(0)1 30 36 10 06
  • Fax
    +33(0)1 34 48 08 47
  • E-mail
    下記URLよりメール送信が可能
  • 開館時間
    <4月1日〜10月31日>
    9:30-12:30、14:00-18:00
    <11月1日〜3月31日>
    9:30-12:30、14:00-17:00  
    *但し、週末・祝日は17 :30まで
  • 休館日
    月曜日

ゴッホの家

  • 所在地
    Place de la Mairie
    BP 40001 F95430 Auvers-sur-Oise
  • Tel
    +33(0)1 30 36 60 60
  • Fax
    +33(0)1 30 36 60 61
  • E-mail
    info@vangoghfrance.com
  • URL
    http://www.maisondevangogh.fr/
  • 開館時間
    <3月3日〜10月31日>
    10 :00-18 :00
  • 休館日
    月曜・火曜日
    *11月1日〜3月2日は休館
  • 入館料
    一般:6ユーロ
    12歳〜17歳:4ユーロ
    12歳未満:無料

オーヴェル=シュル= オワーズ城

  • 所在地
    chateau d'Auvers de Léry
    95430 Auvers-sur-Oise
  • Tel
    33(0)1 34 48 48 48
  • E-mail
    info@chateau-auvers.fr
  • URL
    www.chateau-auvers.fr
  • 開館時間
    <4月1日〜9月30日>
    10 :30-18 :00
    <10月1日〜3月31日>
    10 :30-16 :30
  • 休館日
    月曜日
  • 入館料
    一般:12ユーロ
    6歳〜18歳:7.9ユーロ
    6歳未満:無料

MMFで出会える オーヴェルのゴッホ

  • インフォメーション・センターでは、ラヴー亭やオーヴェル城など、今回ご紹介したゴッホゆかりの地のパンフレットをご用意しているほか、関連図書も閲覧いただけます。
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