Dossier special - 海外の特集

  • 1.街を彩るナンシー派のアール・ヌーヴォー
  • 2.ロレーヌ旧官邸で開催中のふたつのアール・ヌーヴォー展
  • 3.ナンシーのアール・ヌーヴォーを訪ねる

アール・ヌーヴォーの花咲く街ナンシー Nancy,Ville de l'Art Nouveau

ロレーヌ旧官邸で開催中のふたつのアール・ヌーヴォー展

▲アール・ヌーヴォー展が開催中のロレーヌ旧官邸

 ナンシーのシンボル、スタニスラス広場の北西に位置する凱旋門を抜けカリエール広場へと出ると、その正面奥に見えるのがロレーヌ旧官邸(Palais du Gouvernement)です。ここで2014年の4月13日までふたつの入場無料のアール・ヌーヴォー展が開催中です。両展覧会の共通のテーマは、装飾の世界に斬新なフォルムと独特の美意識をもたらしたアール・ヌーヴォーの重要なモチーフ「自然」。日常風景に生命を与えるかのような躍動的でダイナミックなアール・ヌーヴォーの装飾スタイルは、すべてといっていいほど自然の姿から着想を得たものでした。

「アール・ヌーヴォーの自然(Natures de l’Art Nouveau)」展

▲「アール・ヌーヴォーの自然」展の映像による展示

 ナンシー、ブリュッセル、バルセロナなど、アール・ヌーヴォーで有名なヨーロッパの13都市が提携した組織、レゾー・アール・ヌーヴォー・ネットワーク(Réseau Art Nouveau Network)が主催する「アール・ヌーヴォーの自然」展では、動植物がアール・ヌーヴォーの重要なモチーフになった経緯や社会的背景、またその作品例を豊富な写真や資料、映像を通して紹介しています。

▲「アール・ヌーヴォーの自然」展の紹介するヨーロッパ各地のアール・ヌーヴォー

 19世紀の日本の開国後、ヨーロッパに普及した日本の版画がアール・ヌーヴォーに直接的な影響を与えたことは広く知られていますが、写真技術や顕微鏡で覗くミクロの世界など、当時のめざましい科学の発達も、革新的なアール・ヌーヴォーのデザインを生み出す追風となったことがよく分かります。

「アンソロジー(Florilège)」展

▲「アンソロジー」展で紹介されているエミール・ガレのガラス作品

 ナンシー派美術館企画の「アンソロジー」展では、ガレやマジョレルをはじめとする作家によるガラス工芸品や家具、陶磁器、グラフィック作品のほか、アール・ヌーヴォーの素材としては珍しい皮製品など、約60点を展示しています。
 その大部分は寄贈や新規購入によりナンシー派美術館にここ15年以内に収蔵されたもので、今回初公開の作品も含まれています。

▲ロレーヌ旧官邸に保存されている蘭をデザインしたマジョレルの家具一式

 また、展覧会会場のロレーヌ旧官邸は、19世紀以降に軍の司令官の本拠地として機能していた建物。1913年から1914年にかけてこの官邸を利用した軍人フェルディナン・フォッシュ(Ferdinand Foch/1851-1929)は、ナンシー派のデザイナー、マジョレルに自身の仕事部屋の家具を注文しました。展覧会の中盤では、現在もロレーヌ旧官邸に保存されているそれらの家具一式が展示され、ナンシー派美術館所蔵のマジョレル作品と併せて見学することができます。

次ページでは、アール・ヌーヴォーの作品を
多数所蔵するナンシーの美術スポットをご紹介します。>>

  • 次のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

Update:2014.3.1 文・写真:増田葉子(Yoko Masuda)ページトップへ

「アール・ヌーヴォーの自然」展≪ Natures de l'Art nouveau≫

「アンソロジー」展≪ Florilège ≫

会期
2013年12月20日〜2014年4月13日
会場
ロレーヌ旧官邸
所在地
Palais du Gouvernement, place de la Carrière à Nancy 
開館時間
10:00-12:30、14:00-18:00
休館日
月曜日
観覧料
無料
  • 海外の特集01
  • 国内の特集01
  • マダム・ド・モンタラン ベールのミュゼ訪問
  • 注目の一冊
  • 発見!身近なアート探訪
  • 銀座界隈アートスポット巡り
  • 今月の注目記事
  • お問い合わせ
  • 個人情報の取り扱いについて
  • サイトマップ
  • メールニュースへのご登録はこちらから

*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。

特集記事 バックナンバー