Dossier special - 国内の特集

  • 1.石川潤学芸員に聞く─クレー展の楽しみ方
  • 2.展覧会レポート─クレーの「秘密」を探してみよう!

宇都宮美術館「パウル・クレー だれにも ないしょ。」展

20世紀の美術に大きな足跡を残した画家パウル・クレー。現在、宇都宮美術館で開催中の展覧会「パウル・クレー だれにも ないしょ。」は、国内では4年ぶりとなる大規模な展覧会。愛らしく、そしてどこか謎めいた作品を描いたクレーの「秘密」をテーマにした展覧会の見どころを、宇都宮美術館主任学芸員の石川潤氏に伺いました。

石川潤学芸員に聞く─クレー展の楽しみ方

Q1 「だれにも ないしょ。」というタイトルに込められた意図は?
A 「秘密」をキーワードにクレーを紹介したいと思ったのです。

▲宇都宮美術館主任学芸員の石川潤氏

 今回の展覧会は、“秘密好きの画家”クレーの「秘密」そのものがテーマです。「秘密」という言葉には、かわいいイメージがありますよね。クレーの作品には、よく「謎めいた」といった形容詞も使われますし、実際、謎と言ったほうがしっくりくるような作品もあると思います。それでも、クレーの非常に魅力的な部分を言い表すときに、「秘密」という語感が、しっくりくるような、愛らしくて魅力的な作品があります。今回はクレーのそうした一面にスポットを当てたいと思ったのです。そして、「秘密」というキーワードから「だれにも ないしょ。」というタイトルを導き出しました。

Q2 クレーの「秘密」はすぐに見て分かるものでしょうか?
A ステップを踏みながら、さまざまな「秘密」を楽しんでみてください。

▲《花と蛇》(1940年)はじつは、別の作品の裏側にある作品。おもて側の作品は会場でのお楽しみ

 クレーの特徴は、「秘密」を提示するときの、「身振り」の愛らしさにあると思います。その一方で、クレーの「秘密」には、さまざまな“レベル”があります。ですので、今回の展覧会では、クレーの秘密を、目で見たら分かるレベルから、抽象的で少し難しいようなレベルまで、ちょっとずつ向かっていけるように6章立てにしています。来館者の皆さんには、ひとつひとつステップを踏みながら、クレーの秘密に分け入ってもらえたらと思います。

Q3 「秘密」からクレーのどんな側面が見えるのでしょう?
A 心の奥に秘めた解きほぐせないものをかたちにした、クレーの本質が見えてくると思います。

▲愛らしく、謎めいた作品が揃う会場

 秘密にはいろんなレベルがあります。皆さんも、心の奥に秘めたものは必ずお持ちだと思うのですが、それを他人に伝えるのは非常に難しいものですよね。その難しさを難しいままに、非常に見事にかたちにしていったのがクレーだと思います。解きほぐせないようなもの、名づけがたいようなものを、どこか愛らしかったり、微笑みを誘ったりするようなかたちにしていったのです。そうしたクレーの本質が、「秘密」をキーワードにすることで見えてくると思います。

次ページでは、会場で発見したクレーの「秘密」のいくつかを紹介します。>>

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Update : 2015.8.1ページトップへ

「パウル・クレー だれにも ないしょ。」展

会期
2015年7月5日(日)〜9月6日(日)
会場
宇都宮美術館
URL
http://u-moa.jp/exhibition/exhibition.html
開館時間
9:30-17:00
※入館は16:30まで、8月11日(火)
〜16日(日)は19:00まで開館(入館は18:30まで)
休館日
月曜日(7月20日は開館)、
7月21日(火)
観覧料
一般:1,000円
大学生・高校生:600円
中学生・小学生:400円
※この情報は2015年8月更新時のものです。
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