Dossier special - 海外の特集

  • 1.ゴールドラッシュとともに発展した街
  • 2.メルボルンの美術館・博物館を巡る

ヴィクトリア朝の栄華が香るメルボルン

オーストラリア南東部ヴィクトリア州の州都メルボルン。かつてイギリス領であったため、ヴィクトリア女王(Queen Victoria/在位1837-1901)時代の建築様式の建物が多く点在し、“オーストラリアのヨーロッパ”とも呼ばれています。また、芸術都市としても知られ、美術館、博物館が数多くあるのはもちろん、通りや建物のディスプレイに至るまでアートが溢れています。今月のMMMの特集では、ヴィクトリア朝の栄華が香るメルボルンの魅力に迫ります。

ゴールドラッシュとともに発展した街

▲ギリシア神殿風のファサードを持つヴィクトリア州議事堂

 「世界一住みやすい都市」ランキングで6年連続で1位を誇るメルボルンは、“ガーデンシティ”の異名を持つほど緑豊かな街。スポーツが盛んな地としても有名で、毎年1月にはテニスの四大大会、全豪オープンが開催され、街は大いに賑わいを見せます。

▲旧財務省ビルの地下には、レプリカの金塊を展示

 メルボルンの街が世界有数の都市に発展したのは1850年代のことです。英国人のエドワード・ハーグレイヴズ(Edward Hammond Hargraves/1816-1891)が、ゴールドラッシュに沸くカリフォルニアへ一獲千金を狙って渡米。しかし、それが失敗に終わると、地形がカリフォルニアと似ているとの理由から今度はオーストラリアにも金脈があると確信します。そして1851年、ついにエドワードはヴィクトリア州の北、ニューサウスウェールズ州で金を採掘、オーストラリア初の金発見者となりました。それを機に、オーストラリアのゴールドラッシュブームが到来します。その後ヴィクトリア州でも当時世界最大の産金地帯が発見され、国内外から多くの人々が集まって、ゴールドラッシュは本格化していきました。1851年に約7万7,000人だったヴィクトリア州の人口も、10年後には約7倍にまで膨れ上がり大都市に発展。さらに、このゴールドラッシュは、メルボルンの街にも莫大な富をもたらしました。現在も街に残る多くの歴史的建造物はこの時代に建てられたものです。

▲ステンドグラスが美しいセントパトリックス大聖堂。ローマ法王も2度訪れている

 ヴィクトリア州のカトリックの総本山として多くの人々に親しまれているセントパトリックス大聖堂は、ゴールドラッシュ時代、人口が急増したために建設が計画された国内最大のゴシック建築の建造物です。1858年から建設が始まり、80年の歳月をかけて完成しました。とくに堂内のキリストが昇天する様子が描かれたステンドグラスは圧巻です。
 また、その近くに建つのは、ゴールドラッシュで発見された金塊を保管していた旧財務省ビル。州知事、州首相、財務大臣などの政府の閣僚の事務所が設置されていた建物は、当時19歳だった建築家J.J.クラークによって設計され、1862年に完成しました。石造りの趣のある建物は現在、博物館として公開され、金塊を保管していた部屋や会議室などを見ることができます。

▲ヴィクトリア女王を称え、彫像も飾られるヴィクトリア州議事堂。荘厳な内部を見学できるツアーもある

 隣に建つギリシア神殿風のヴィクトリア州議事堂もゴールドラッシュ最盛期の1856年から建築が始まり、首都がキャンベラに移る1927年まで、オーストラリアの議事堂として利用されました。現在は州の議事堂となっており、ツアーで内部を見学することができます。大きな広間にはヴィクトリア女王の彫像が飾られるほか、柱や壁にふんだんに施された装飾、優雅な家具など、当時の華やかな様子が伝わってきます。

▲ヴィクトリア州立図書館の「LA TROBE READING ROOM」

 国内最古の図書館、ヴィクトリア州立図書館は、1856年に開館し、20回以上の増改築をしているため、各時代の建築様式を見ることができます。中でも2003年に改装された「LA TROBE READING ROOM」は必見です。「死ぬまでに一度は訪れたい世界の図書館15」にも選出されており、吹き抜けになったドーム型の天井からは柔らかな光が差し込み開放的な空間です。そのほか、ジブリ映画の『魔女の宅急便』にも登場したといわれる国内初の駅「フリンダース・ストリート駅」や1854年創業の豪華な劇場「プリンセス・シアター」など、往時を偲ぶ建造物に出会うことができます。

▲1854年に完成し、メルボルンのシンボルとして親しまれているフリンダース・ストリート駅

▲壮麗な外観のプリンセス・シアター

▲ロイヤルアーケードは、古い歴史を持つショッピングアーケード。神話上の英雄たちをモチーフにした時計が飾られる

次ページでは、メルボルンを代表する美術館・博物館をご紹介します。>>

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Update : 2017.3.1 文・写真 : 中村優歩(Maho Nakamura)ページトップへ

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