カルナヴァレ美術館〜先史時代から現在にいたるパリの歴史を語る美術館〜
  7月14日は革命記念日。1789年に勃発したフランス革命は、
現在もパリの人々にとって大きな歴史の転換期として記憶されています。
絵画作品をはじめ、工芸品や王家の人々の日用品などのコレクションを通して、
パリの歴史を語りかけるのがカルナヴァレ美術館です。
MMFでも7月11日(金)からは3Fギャラリーを中心に全館で「クイズで知る、フランスの成り立ち」を開催します。クイズのヒントも隠されているかもしれません。
 
パリの歴史を伝える美術館 フランス革命を語るコレクション ルイ16世、マリー=アントワネットゆかりのコレクション
個人の邸宅から美術館へ― パリの遺産を留めるために誕生した美術館
▲瀟洒な佇まいを見せるカルナヴァレ美術館。

 マレ地区にある瀟洒な館、カルナヴァレ館。その起源は16世紀に遡ります。パリ市議会議長、ジャック・デ・リニュリの邸宅として1548年に建造されたこの館は、17世紀半ばには、ブロア城を設計したことで有名な建築家フランソワ・マンサールによって近代的に改装され、1677年から1696年には、作家で社交界の花形だったセヴィニエ夫人が住んでいたことでも知られています。
 美術館としての歴史は19世紀半ばに始まります。第二帝政下、パリ改造計画によって、古いパリが破壊され消え去ろうとしているとき、パリの歴史を伝えるミュゼが必要だという考えが浮上しました。1866年、セーヌ県知事オスマン男爵の発意の下、パリ市はカルナヴァレ館を買い上げ、歴史博物館に改装しました。その後、何度も拡張され、1989年には隣接するル・ペルティエ・ド・サン・ファルゴー館も統合し現在に至ります。

 
パリの歴史的発展を辿れる 多岐にわたる充実したコレクション
 カルナヴァレ美術館のコレクションは、遺跡、かつてのパリの眺望、古い建築物の模型や装飾、パリに暮らした有名人の肖像画などと多岐にわたり、先史時代から今日までのパリ市の歴史的発展を伝えています。入り口を抜けると、かつてパリの町並みを飾っていた楽しげな看板が目をひきます。また、ルイ16世紀様式の貴族邸宅の内装を移築した「ルイ16世の青のサロン」は、ヴェルサイユ宮殿にも負けない魅力があります。
▲古きよきパリの面影を感じさせる入り口からの通路。
▲華麗な装飾が目をひく「ルイ16世の青のサロン」。
▲充実した革命期のコレクションを誇る展示室。

パリの歴史を伝える美術館 フランス革命を 語るコレクション ルイ16世、マリー=アントワネット ゆかりのコレクション
文・写真:
阿部明日香 Asuka ABE
著者プロフィール:
東京大学およびパリ第一(パンテオン・ソルボンヌ)大学博士課程。
専門はフランス近代美術、特にその「受容」について研究中。
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カルナヴァレ美術館
URL
http://www.paris.fr/portail/
Culture/Portal.lut?page_id=6468
所在地
23, rue de Sévigné 75003 Paris
Tel
33(0)1 44 59 58 58
Fax
33(0)1 44 59 58 11
開館時間
10 :00-18 :00(入館は17 :30まで)
入館料
常設展/無料
企画展/一般:4.5ユーロ、割引:3.8ユーロ
アクセス
メトロ1号線サン・ポール(Saint-Paul)駅、もしくは8号線シュマン・ヴェール (Chemin vert)駅下車。

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