カルナヴァレ美術館〜先史時代から現在にいたるパリの歴史を語る美術館〜
 
パリの歴史を伝える美術館 フランス革命を語るコレクション ルイ16世、マリー=アントワネットゆかりのコレクション
革命に賭けた民衆の力を つぶさに見られる歴史絵巻
▲チュイルリー公園での発砲事件を描いた作品。

 革命前夜の1789年7月12日、ドイツ人騎兵隊指揮官ランベスク公がチュイルリー庭園にて発砲したことでパニックを引き起こした事件がありました。この事件は民衆の怒りをかき立て、バスティーユ襲撃を引き起こすひとつのきっかけになったといわれています。絵画は事件当時の様子を生き生きと語っています。両脇のスロープや池、彫像など、チュイルリー公園の様子は現在も変わりません。

 さて、革命によりフランスは、ヨーロッパ諸国のなかでいち早く共和政を実現しました。1792年には王権を停止、国民公会が成立します。カルナヴァレ美術館に所蔵されている『人権宣言』のパネルは、市民たちによって国民公会に寄贈されたもので、議会が行われたチュイルリー宮の広間の議長席の後ろに飾られていました。
 議長には革命の指導者的存在だったジョルジュ・ダントンやマクシミリアン・ロベスピエール、そして画家のジャック=ルイ・ダヴィッドも名を連ねています。
▲アンヴァリッド(廃兵院)襲撃時の高揚した市民の様子と日常が描かれている。

▲革命時の庶民の暮らしが描かれている。
▲『人権宣言』のパネル。
©RMN-Agence Bulloz

パリの歴史を伝える美術館 フランス革命を 語るコレクション ルイ16世、マリー=アントワネット ゆかりのコレクション
文・写真:
阿部明日香 Asuka ABE
著者プロフィール:
東京大学およびパリ第一(パンテオン・ソルボンヌ)大学博士課程。
専門はフランス近代美術、特にその「受容」について研究中。
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カルナヴァレ美術館
URL
http://www.paris.fr/portail/
Culture/Portal.lut?page_id=6468
所在地
23, rue de Sévigné 75003 Paris
Tel
33(0)1 44 59 58 58
Fax
33(0)1 44 59 58 11
開館時間
10 :00-18 :00(入館は17 :30まで)
入館料
常設展/無料
企画展/一般:4.5ユーロ、割引:3.8ユーロ
アクセス
メトロ1号線サン・ポール(Saint-Paul)駅、もしくは8号線シュマン・ヴェール (Chemin vert)駅下車。

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