
1990年代の改築工事により、かつてはコレクションの保管場所であったパレ・デ・ボザールの地下は新しい展示室に生まれ変わりました。古代から中世までのもっとも古い時代のコレクションがこの地下フロアに集められているので、この階の展示から見学をスタートさせると良いかもしれません。また同じ階にはリールの街並みを忠実に再現した軍事用の立体地図のギャラリーも設けられており、かつてのリールの街並みを見ることができます。
リールの建築の典型的な特徴を持つレンガ造りの地下展示室では、12世紀から16世紀初期までのキリスト教美術を中心とする展示が行われています。ヨーロッパ各地のロマネスク、ゴシック美術にはじまり、イタリア・ルネサンスやオランダ、フランドルの影響を受けたドイツ、そしてカタルーニャの美術と、信仰の対象としてのヨーロッパ芸術のパノラマが広がっています。展示されている彫刻、絵画、工芸品は200点近くにものぼりますが、中でも見逃せないのは、1834年に美術館に寄贈されたイタリアの彫刻家ドナテッロ(Donato di Niccolò di Betto Bardi)によるレリーフ彫刻《ヘロデの宴》です。イタリア・ルネサンスの偉大な彫刻家によるこの大理石の作品には、景色が奥へ行くほどレリーフも深くなるという珍しい手法が使用されています。また床のタイルの大きさをもとに緻密に計算された遠近法の技術や繊細な彫刻の表現からも目が離せません。
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パレ・デ・ボザールの地下から1階へと戻り、19世紀のフランスの作品を中心とした彫刻のギャラリー、また16世紀から19世紀初頭までの陶磁器のギャラリーへと足を運んでみましょう。
彫刻のギャラリーでは450点のコレクションの中から135点がセレクトされ、ウードン(Jean-Antoine Houdon)やカルポー(Jean-Baptiste Carpeaux)、ロダン(Auguste Rodin)、ブールデル(Antoine Bourdelle)といったフランスを代表する彫刻家の作品が並べられています。異なる作風を持つ彫刻家の作品が一堂に会したこのギャラリーは、19世紀から20世紀のフランス彫刻界のみなぎるような活気を感じ取ることのできる場です。
一方、陶磁器のギャラリーは、ヨーロッパからアジアまでの幅広い地域をカバーしたコレクションが特徴です。地域別に展示が構成されており、それぞれの地域の特色、また地域間での影響を見て取ることができます。ここでは白地に青の彩色が特徴の、18世紀リールのファイアンス陶器も数多く展示されています。
さらに陶磁器のギャラリーの奥へと進むと、ピカソ(Pablo Picasso)やレジェ(Fernand Léger)など、20世紀絵画の展示が行われています。点数は少ないながら、美術館の常設展示にモダンな一面を与える重要なコレクションとなっています。
![]() ©Palais des Beaux-Arts de Lille |
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- 所在地
Place de la République 59000 Lille - Tel
+33(0)3 20 06 78 00 - Fax
+33(0)3 20 06 78 15 - E-mail
reservationpba@mairie-lille.fr - URL
http://www.palaisdesbeauxarts.fr/ - 開館時間
月曜日:14:00-18:00
水曜日〜日曜日:10:00-18:00 - 休館日
火曜日、1月1日、5月1日、7月14日、
9月第1週目の土曜日・日曜日、11月1日、12月25日 - 入館料
一般:5.5ユーロ
割引料金:3.8ユーロ
12歳以下:無料
- B1Fインフォメーション・センターでは、パレ・デ・ボザール リール宮殿美術館のカタログを閲覧いただけるほか、パンフレットをご用意しています。

*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。