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▲スーラージュのための別棟。
©musée Fabre, Montpellier Agglomération |
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ファーブル美術館の礎を築いたのは、ダヴィッド(1748−1825)を師と仰いだ画家フランソワ=グザビエ・ファーブル(1766−1837)。彼がイタリア滞在の折りに集めた名品の数々を1825年、郷里モンペリエに遺贈したことからミュゼが建てられることとなったのです。そして、その3年後、マシリアン邸を改装して美術館が開館し、ファーブルは自ら初代の館長の任を負いました。このミュゼはその後も、多くの人々から寄贈を受けてゆくことになりますが、いずれもモンペリエ地方ゆかりの方たちばかりだそうです。クールベの才能にいちはやく目をつけ、数多の作品を手に入れてこのミュゼに貢献したアルフレッド・ブリュイヤス(1827−1877)もまた、モンペリエの生まれでした。
2005年スーラージュが桁外れともいえるほどの寄贈をすると、ファーブル美術館は、そのコレクションを受け入れるために新たに別棟を建てることになりました。天井の高い空間に明るい光を取り入るため、一面に2重ガラスがはめ込まれた壁は、夜ともなれば光の壁に姿を変えます。その光景の幻想的なことといったら! |