Francais 日本語
ランビネ美術館 Musée Lambinet バックナンバーを読む
informations 3 2 1
▲ジャン=ジャック・オエ 《マラーの死、1793年7月13日》 1794年
©Musée Lambinet
▲ジャン=ジャック・オエ 《牢獄のシャルロット・コルデ》 1793年
©RMN / Michèle Bellot

少し引き返して、革命期の展示室に参りましょう。ここには幾度となく絵画の主題となってきた有名な歴史上のエピソードを描いた作品があります。そのエピソードとは、シャルロット・コルデ(1768-1793)によるマラー(1743-1793)の暗殺のこと。この美術館には、ジャン=ジャック・オエ(1751-1829)による絵画《マラーの死》があります。マラーは、革命を推進した指導者のひとりで、反革命派の大虐殺の原因になったと非難されました。シャルロット・コルデは、1793年7月13日、マラーの自宅に赴き、入浴中のマラーをナイフのひと突きで暗殺したのです。そして4日後、若きシャルロットはギロチンにかけられました。同じくオエによる《牢獄のシャルロット・コルデ》からは、シャルロットが24歳という若さにもかかわらず、堂々とした強い人格を持っていたことがうかがえます。彼女のジェスチャーは革命のシンボルとなり、一方のマラーもまた、ジャコバン派の友人たちによって自由の殉教者として神格化されました。

▲アンリ・ル・シダネ 《ランビネ美術館、庭に面したファサード。秋の夜》 1937年
©RMN / Agence Bulloz

ここに展示されているさまざまな品を見ると、1789年以降のヴェルサイユにどのような施設が置かれたかがよく分かります。例えば、1793年に設立された武器製造所。ここで作られた刀やピストルが展示されています。そして王の病院。水差しやかめ、瓶といった数多の容器は、医務室の調剤所に由来するものです。1階に下りる前に、画家アンリ・ル・シダネ(1862-1939)の展示室を通ります。この画家はヴェルサイユに度々滞在しました。わたくしは、《ランビネ美術館、庭に面したファサード。秋の夜》という作品が持つ、詩的で神秘的な雰囲気に魅せられました。

▲骨董屋街
©A. de Montalembert
▲牢獄横町
©A. de Montalembert

アンティーク好きの方には、この美術館のほど近くにある骨董屋街をおすすめいたします(毎週金・土・日曜日にオープン)。趣のある魅力的な小道や中庭が入り組み、道に迷うにまかせて歩き回るにもとても楽しい界隈です。その中の小道のひとつ「牢獄横町」は、かつて囚人たちが散歩したという道。また、バイヤージュ館は、1724年にプティ・トリアノンを建てた建築家アンジュ=ジャック・ガブリエル(1698-1782)によって建築され、裁判所として使われていた壮麗な館です。

親愛を込めて。


▲ノートル=ダム地区、バイヤージュ館
©A. de Montalembert

▲骨董屋横町
©A. de Montalembert

前のページへ    
ページトップへ