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若手のアーティストを多く起用しつつ、カウンター・カルチャー、ヒッピー・ムーヴメントなど、アートに現代世界のいろんな現象を反映させ始めた1970年代からのコンテンポラリーのアーティストたちも取り上げ、彼らが現在のアートに与えた影響も探るという、時間のベクトルを取った大きな企画だ。取り上げたアーティストの総計は60人。25点の新作を含む。展示会場はリヨン市内、郊外の5カ所。その他にリヨンがあるローヌ・アルプ県全域の58会場で、ビエンナーレに関連する展示が同時期に開催されている。
9月11日にはビエンナーレのイベントとして、たくさんの裸の人間の風景写真を撮るスペンサー・チュニックがリヨンでも人を募って撮影したことが話題となった(作品は11月4日からシュークリエールで公開)。
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メイン会場のシュークリエールは、リヨンの中央にある半島部分の南端、ソーヌ川沿いにある1930年代に造られた砂糖工場だった建物。7000平米の床面積を誇る。あたりは旧倉庫街で、古びたコンクリートのタフな外観も魅力のひとつだ。 |
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入り口を入ってすぐのところにあるのが、アン・ヴェロニカ・イェンセンの「リー121」。黄緑色の煙が充満している部屋を通り抜けていく、という趣向。まず係員から「パニック症候群の人はやめたほうがいい」とアドバイスがある。部屋に入って納得。煙が濃いので一寸先も見えず、連れも煙の彼方へ消え、方向感覚も失ってよりどころをなくす不安な感じに動悸が早くなる。結局壁を伝いながら外へ出た。いつも色をテーマに作品を作るイェンセン。今回は単色世界に浸るということの他に、全くの孤独も体験させる面白い試みとなった。 |
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これと同様の心理効果があるのは、テリー・ライリーの「タイム・ラグ・アキュムレーター2」。銀色のバラックの中はドアだらけで「出られるのか」と心細くなりながらドアを次々と開けて出口を探す。 |
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またイェンセンと同じ趣旨ながら陽気に楽しめるのが、ピンクの風船が天井まで詰まった部屋を通り抜けるというマーティン・クリードの「ハーフ・ジ・エアー・イン・ア・スペース」。渦巻く静電気の中を風船を押しのけながら出口を目指す。中から出てくる人の髪がみんな総毛立ちで、見物する人の笑いを誘っていた。この3つのように鑑賞者が実際に体験できる作品が多いのも今回の特徴だ。 |
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今回のテーマ、時間や体験を具現化しているかのような作品がカダール・アッティアの「フライング・ラッツ」。これは強烈。大きな鳥かごというより檻の中に、鳩のえさを固めて作った子供の人型に服を着せたものと、実際の鳩を入れている。子供たちのそこここに鳩がとまり、彼らの肌をついばんでいる。 |
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時間が経つにつれ、子供たちは鳩に食べられ服だけ残して消滅するという仕掛けだ。我々はそれをライブで観察する。 |
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サーダヌ・アフィフの、自動仕掛けで演奏する数十本のエレキギターのインスタレーション、ビールをズラリと並べ、ヴェルニサージュで「友達とビールを飲むのは最高のアートの形式」と銘打ってその前で宴会を催したトム・マリオー二の作品、リヴァンヌ・ニューエンシュヴァンダーのビジターが自分の好きなことを書き連ねていくことが作品となる黒板、などがある。 |
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また入り口近くの外部には、ソフィ・カル&ファビオ・バルドゥッチのビデオ作品「ウ・エ・カン?(どこ?そしていつ?)」を映写するコンテナがある。
この他に建物の外には「レゾナンス(反響)」として同期間に展示されているオブジェがある。戦車、トラックの上にあるロケットなど、不穏な気持ちにさせるオブジェはワン・デュのもの。このロケットを乗せたトラックは開会時に市内をドライブし、人々の注目の的となった。 |
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シュークリエール(La Sucrière)
Port Rambaud, quai Rambaud, 69002 Lyon |
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リヨン現代美術館(Le Musée d'Art Contemporain
de Lyon)
81, cité internationale, quai Charles de
Gaulle, 69006 Lyon |
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ヴィルーバン・コンテンポラリー・アート・インスティチュート(L'Institut
d'Art Contemporain de Villeurbanne)
11, rue du Docteur Dolard, 69100 Villeurbanne |
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レクタングル(Le Rectangle)
Place Bellecour, 69002 Lyon |
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フォー・サン=ジャン(Le Fort Saint-Jean)
21, montée de la Butte, 69001 Lyon |
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12:00-19:00
※フォー・サン=ジャン以外の4会場は金曜日のみ夜間も開館(12:00-22:00) |
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一般:10ユーロ
10名以上の団体,19-26歳,障害者:7ユーロ
12-18歳:2ユーロ
12歳以下:無料
※5会場各1回の入場が可能なチケットは会期中有効(同日でなくても利用可)
さらに、pass(1名パス:17ユーロ、2名パス:25ユーロ)をお持ちの方は会期中何度でも入場することができます。 |
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インフォメーションセンター |
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●リヨン・ビエンナーレ2005の公式ガイドブック(フランス語、英語)、ビエンナーレの様子が作品写真と共にレポートされている『art
press』雑誌特別号(フランス語、英語)をインフォメーションセンターにてご覧いただけます。 |
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●第3回リヨン・ビエンナーレ1995-1996の公式ガイドブックも蔵書にございます。 |
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●リヨンご滞在の折りには、ガロ=ローマン文明博物館、織物装飾芸術博物館、リュミエール美術館、リヨン現代美術館など、この機会にリヨンに点在するたくさんの魅力的なミュゼも是非ご訪問を!インフォメーションセンターでは、各ミュゼのパンフレットやおススメ訪問コースをご用意しております。お気軽にご利用ください。 |
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*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。