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さて、林忠正は、パリでの事業が軌道に乗る頃から少しずつフランス美術のコレクションをつくり始めます。彼が日本美術を売った相手には、ゴンス、ゴンクールなど当時のそうそうたるジャポニザン(日本美術愛好家)のコレクターがいました。一方、ドガ、モネといった印象派なども日本美術に強い関心をもっており、林は彼ら画家たちとはしばしば、作品を交換していました。印象派ではありませんが、当時アカデミックな世界で多少の名声を得ていた画家コランとも彼は親しくなり、作品を交換しました。ちなみにコランは、黒田清輝など何人かの日本人の留学生画家が師事した画家です。現在日本には、福岡市美術館や前田育徳会などに、コランの重要な作品が収蔵されていますが、そのほとんどが林の旧蔵品です。 |
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