「オルセー美術館展  パリのアール・ヌーヴォー―19世紀末の華麗な技と工芸―」その見どころと展覧会レポート
オルセー美術館が誇る、アール・ヌーヴォー・コレクションが一堂に会する展覧会が、
9月12日、東京・砧公園内の世田谷美術館で開幕しました。
19世紀末のパリの邸宅さながらの優雅な雰囲気の中で、
アール・ヌーヴォーの名品の美を堪能する、というこれまでにない展覧会です。
本展覧会のコミッショナーを務める遠藤望氏にその魅力を教えていただきながら、
開幕初日の展覧会レポートをお届けします。

世紀末パリの優雅な暮らしを体感できる展覧会

コミッショナー、遠藤望氏による注目の4作品

「オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー」展覧会レポート

世紀末パリの優雅な暮らしを体感できる展覧会

▲「ダイニング・ルーム」の展示室の様子。

 流れるような曲線が織りなす優美なデザイン。フランス語で<新しい芸術>を意味する<アール・ヌーヴォー(Art nouveau)>は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、欧米諸国で一世を風靡した装飾様式です。都市化・工業化が進んだ時代に、生活の美を見つめなおし装飾や建築、工芸を芸術の域にまで高めました。
 貴族階級崩壊後の当時のフランスにあって、この芸術を“消費”したのは、パリに暮らす新興のブルジョワ階級でした。彼らは、豊富な財力を注いで、自らの邸宅を当時流行のアール・ヌーヴォー様式で満たしたのです。
 今回の展覧会のテーマは、この<アール・ヌーヴォーの邸宅>です。アール・ヌーヴォーを支えた19世紀末パリの裕福な家庭の雰囲気とは?そして、その空間でアール・ヌーヴォーはどのように用いられていたのか?──来館者は当時のブルジョワ階級の典型的な邸宅をめぐり、その華麗な生活に思いを馳せながら、アール・ヌーヴォーという芸術の本来の姿を理解することができるという、これまでにない展覧会です。
 展示の中心となるのは、エミール・ガレ(Emile Gallé)やルネ・ラリック(René Lalique)、エクトール・ギマール(Hector Guimard)などの巨匠たちの作品。さらには、小さなメゾン(工房)が手がけた傑作もクローズ・アップすることによって、産業革命の波が押し寄せる中、諸外国に対抗するフランス政府が改めて着目した、優れた伝統技術にも光を当てています。

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「オルセー美術館展  パリのアール・ヌーヴォー―19世紀末の華麗な技と工芸―」その見どころと展覧会レポート

  • 会期
    2009年9月12日(土)〜11月29日(日)
  • 会場
    世田谷美術館
  • 所在地
    東京都世田谷区砧公園1-2
  • Tel
    03-5777-8600(ハローダイヤル)
  • URL
    美術館
    http://www.setagayaartmuseum.or.jp/
オルセー美術館展
  • 開館時間
    10:00-18:00
    *入館は閉館の30分前まで
  • 観覧料
    一般:1,300円
    65歳以上:1,100円
    大学・高校生:1,100円
    中学・小学生:600円

MMFで出会えるオルセー美術館展

  • MMFのB1Fインフォメーション・センターでは、「オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー-19世紀末の華麗な技と工芸-」のカタログを閲覧いただけます。
    また、MMFブティックでは入場券を販売中です。


 

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