

流れるような曲線が織りなす優美なデザイン。フランス語で<新しい芸術>を意味する<アール・ヌーヴォー(Art nouveau)>は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、欧米諸国で一世を風靡した装飾様式です。都市化・工業化が進んだ時代に、生活の美を見つめなおし装飾や建築、工芸を芸術の域にまで高めました。
貴族階級崩壊後の当時のフランスにあって、この芸術を“消費”したのは、パリに暮らす新興のブルジョワ階級でした。彼らは、豊富な財力を注いで、自らの邸宅を当時流行のアール・ヌーヴォー様式で満たしたのです。
今回の展覧会のテーマは、この<アール・ヌーヴォーの邸宅>です。アール・ヌーヴォーを支えた19世紀末パリの裕福な家庭の雰囲気とは?そして、その空間でアール・ヌーヴォーはどのように用いられていたのか?──来館者は当時のブルジョワ階級の典型的な邸宅をめぐり、その華麗な生活に思いを馳せながら、アール・ヌーヴォーという芸術の本来の姿を理解することができるという、これまでにない展覧会です。
展示の中心となるのは、エミール・ガレ(Emile Gallé)やルネ・ラリック(René Lalique)、エクトール・ギマール(Hector Guimard)などの巨匠たちの作品。さらには、小さなメゾン(工房)が手がけた傑作もクローズ・アップすることによって、産業革命の波が押し寄せる中、諸外国に対抗するフランス政府が改めて着目した、優れた伝統技術にも光を当てています。

- 会期
2009年9月12日(土)〜11月29日(日) - 会場
世田谷美術館 - 所在地
東京都世田谷区砧公園1-2 - Tel
03-5777-8600(ハローダイヤル) - URL
美術館
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/

- 開館時間
10:00-18:00
*入館は閉館の30分前まで - 観覧料
一般:1,300円
65歳以上:1,100円
大学・高校生:1,100円
中学・小学生:600円

- MMFのB1Fインフォメーション・センターでは、「オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー-19世紀末の華麗な技と工芸-」のカタログを閲覧いただけます。
また、MMFブティックでは入場券を販売中です。
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