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印象派の巨匠、クロード・モネ(Claude Monet)──。今や世界で最も有名な芸術家のひとりに数えられるモネは、19世紀後半から20世紀前半にかけて絶えずカンヴァスに向かい、「印象派」という枠に収まらない芸術を成し遂げた画家でした。60年以上というその長いキャリアにおいて、モネは風景画の技法や観念を根本から革新し、晩期の作品は20世紀の抽象画家たちにまで影響を与えました。現在、パリの国立ギャラリー、グラン・パレではモネの大回顧展が開催中です。著名な作品からこれまであまり知られていなかった個人所蔵の作品まで、世界中より約200点もの作品が集められ、60年以上に及ぶモネの画業を今までにないアプローチで振り返ります。
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2010年9月より始まったこのモネの大回顧展は、同じくグラン・パレで行われた1980年の回顧展以来、その規模・内容の両面において、最も重要なモネ展といわれています。近年も世界のさまざまな都市でこの画家をテーマとした企画展が開催されてきましたが、主要なものはモネのキャリアの終盤に注目した内容でした。しかし今回の回顧展は、1860年代の画家としての出発点から、《睡蓮》の連作に代表される晩期の作品に至るまでの、豊かで多産なモネの画業の全体を、約200点の展示作品を通してたどるというもの。まさに「大回顧展」の名にふさわしい展覧会なのです。
クロノロジカルな流れだけにとらわれずにテーマ別の展示を交えながら、最新の研究を踏まえてモネを再考することで、誰もが知る「印象派の巨匠」への新たな発見と驚きを呼び起こしてくれます。
1860年代から60年以上にわたるモネのキャリアは、ほぼ折り返しの年に当たる1890年に大きな分岐点を迎えます。当時50歳のモネは、以前から家族とともに暮らしていたジヴェルニーの家と土地を購入します。それまでのモネは新しい風景を求めて頻繁に旅に出ていましたが、以降、1926年にこの世を去るまで、ジヴェルニーの庭をインスピレーションの源として描き続けることになるのです。そしてこの年を境に、モネの画家としての地位は、揺るぎないものとなっていきます。国内外のコレクターから作品購入の申し込みがあり、個展開催の際には、パリの複数のギャラリーから引く手あまたになるほどの人気を見せました。

《庭の女》1866年
© photographie : Musée de l'Ermitage / Vladimir Terebenin, Leonard Kheifets, Yuri Molodkovets
今回の展覧会はこの1890年をモネのキャリアの重要な分岐点とし、そこからいくつかの導線を引いて構成されています。前半部分では技術を模索した1890年までの作品、後半では《睡蓮》を含む連作やモネ円熟期の作品を紹介しています。
- 会期
2010年9月22日(水)-
2011年1月24日(月) - 会場
グラン・パレ・ナショナル・ギャラリー - 所在地
3 avenue du Général-Eisenhower 75008 Paris(シャンゼリゼ入り口) - Tel
+33(0)1 44 13 17 17 - URL
http://www.monet2010.com/jp
(日本語) - 開館時間
10:00-22:00
*火曜日は14:00、木曜日は20:00まで
*12月18日〜1月2日のヴァカンス期間中は毎日9:00-23:00
ただし、12月24日と12月31日は18:00まで - 休館日
12月25日
- 入館料
一般:12ユーロ
13歳-25歳:8ユーロ
13歳未満:無料
*オランジュリー美術館とセットのチケット:18ユーロ(一般) - アクセス
地下鉄1番線、13番線Champs-Elysées-Clemenceau駅
- インフォメーション・センターでは、今回のモネ大回顧展の公式カタログやパンフレットのほか、モネの関連書籍を閲覧いただけます。

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