- 1.古代エジプト人の世界観に触れる
- 2.古代エジプト人の“思い”を体感する
東京・五反田に、ルーヴル美術館の作品を特別に鑑賞できるスポットがあることをご存知ですか?ルーヴルの作品美術館の作品を通じて、アートの新しい見方を提案する『ルーヴル- DNP ミュージアムラボ』の体験スペースです。2006年に始まったオリジナルの企画展も今回で8回目。テーマは「古代エジプト」です。まずは、今回の出品作品を通じて、古代エジプトの世界観に触れてみましょう。

紀元前1479年‐紀元前1425年頃
石灰岩、彩色
ルーヴル美術館、古代エジプト
美術部門
© 2011 Musée du Louvre /
Christian Décamps
古代エジプト人ほど、「永遠」を希求した民はいないと言われます。ミイラをつくり死後の魂の居場所をつくり、堅牢なピラミッドで永遠に安寧な暮らしを続けたいと願ったのです。この座像は、トトメス3世の葬祭殿の菓子司であったサムウトとその妻ムウトネフェレトの姿を表したもの。中央に刻まれた銘文によれば、ふたりとも「声正しき者」として冥界に入ることが保証されています。肩を寄せ合うその姿からは、あの世でも一緒でありたいと願った、仲睦まじい夫婦の思いがうかがえます。

中王国‐新王国時代(?)
紀元前2033年‐紀元前1550年頃
木、彩色
長さ9.8cm、径2.6cm
ルーヴル美術館、古代エジプト
美術部門
所蔵番号AF8965
© 2003 Musée du Louvre /
Christian Décamps
永遠の生を望んだエジプト人は、来世でも現世と同じような暮らしをしたいと考えていました。つまり、来世でも飲み食いをしなくてはならないのです。そのためには、死後は、家族や神官に食べ物や飲み物を、墓前に供えてもらえばいいのですが、それだけで“永遠に”食べ物にありつくのは無理でしょう。そこで、エジプト人は、食べ物や飲み物を絵に描いたり、その名を文字で書いたり、唱えたりするだけでも、本物を供えるのと同じ効果があるという“決まりごと”を作り出しました。今回の出品作は、いずれも、この「供物」という行為にまつわるものです。

サッカラ出土
古王国時代
紀元前2700年‐紀元前2200年頃
石灰岩、彩色
高さ10cm、長さ20.6cm
ルーヴル美術館、古代エジプト美術部門
所蔵番号E16262
© 2011 Musée du Louvre / Christian Décamps

紀元前1970年‐紀元前1900年頃
石灰岩、彩色
ルーヴル美術館、古代エジプト美術部門
© 2011 Musée du Louvre /
Christian Décamps
永遠に生きたい、来世でも美味しい食事がしたい──。人々のこうした願いを叶えるとされたのは、古代エジプトの神々でした。今回の目玉作品である《内務の長サケルティのステラ》は、冥界の神オシリスに捧げられたもの。また、《王の長官ホリラアの供物卓》には、オシリス神と創造神プタハへの祈りが刻まれています。自らが信じる神にステラ(石碑)を奉納すれば、ステラに刻まれた食べ物などが永遠のものとなって、来世の暮らしを保証してくれると考えたのです。

紀元前664年‐紀元前525年頃
玄武岩
ルーヴル美術館、古代エジプト美術部門
© 2011 Musée du Louvre / Georges Poncet
『ルーヴル- DNP ミュージアムラボ』では、ルーヴルからやって来る作品はもちろん、それぞれの作品に応じて開発される鑑賞システムも楽しみのひとつ。次ページでは、本展で体験した新しい鑑賞法をレポートします。
- 会期
〜2012年3月4日(日) - 会場
ルーヴル - DNP ミュージアムラボ
東京都品川区西五反田3-5-20
DNP五反田ビル1F - URL
http://museumlab.jp - 観覧予約
ルーヴル - DNP ミュージアムラボは、事前予約制です。来館をご希望 の方はホームページ または電話にてご予約ください。
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03-5435-0880
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金曜日:18:00-21:00
土・日曜日:10:00-18:00 - 休館日
金曜日が祝日の場合、保守点検日、展示
替え期間、年末年始 - 観覧料
無料・予約制