オルレアンに残るジャンヌ・ダルクの足跡
中世の街並みが残る美しい街オルレアンは、パリから電車で南西に1時間ほどのところにあります。ジャンヌ・ダルクがフランスを救ったことを象徴する地として、最もゆかりの深い街といえるでしょう。街を歩くと、いたるところにジャンヌの姿や記念碑が目に付きます。早速、ジャンヌの足取りをたどりながら、オルレアンを巡ってみることにしましょう。中心地は小さくまとまっているので、徒歩でも十分回れますが、バスやトラム、貸し自転車サービスも発達しており、とても観光のしやすい街です。
最初に向かったのはオルレアンでジャンヌが滞在したブーシェ家を再建した、ジャンヌ・ダルクの家。今年4月にジャンヌ・ダルク資料センターが併設され、再オープンしたばかりです。
1階のマルチメディア室ではジャンヌ・ダルクの人生を紹介するビデオが大スクリーンに投映され、地図や年表、タッチスクリーンを使って、さまざまな角度からジャンヌ・ダルクと当時のオルレアンの様子を知ることができます。
2階には一般公開されている資料室や視聴覚コーナーがあり、予約をすれば貴重な資料も見せてもらえるそうです。ここはジャンヌ・ダルクに関する資料が世界で最も充実した、ジャンヌ・ダルク研究の中心地といえるでしょう。この家は第二次大戦時に壊れてしまいましたが、天井の梁や床のタイルは保存されたものが今でも使われています。また裏手の公園には、当時の家の一部がそのまま残されています。
ジャンヌが船で渡ったロワール川を眺めながら街中に残る当時の塔の跡(Map3)を巡った後は、ジャンヌがオルレアン解放後に祈りを捧げたという、サント・クロワ大聖堂に向かいます。ここのステンドグラスには、ジャンヌの人生が描かれています
次に向かったのは、大聖堂のすぐ横にあるオルレアン美術館です。ここには近代から現代のヨーロッパを中心とする素晴らしい絵画コレクションの中に、ジャンヌ・ダルクを描いた重要な作品が展示されています。オルレアン美術館と「ジャンヌ・ダルクの間」があるオルレアン歴史・考古博物館は共通チケットになっているので、チケットはなくさないように取っておきましょう。
美術館を出ると、向かいにある優美なルネサンス様式の建物が目を引きます。美しいグロロ邸です。この建物は30年前までオルレアンの市庁舎として使われていましたが、今は市民が結婚式を挙げる広間や、いくつかの市の行政機関が入っている他は、一般に無料で公開されています。建物と裏の庭園だけでも十分見応えがあるのですが、ぜひ中に入ってみることをお勧めします。たくさんのジャンヌの姿に出会うことができます。
さて、オルレアン散策の最後を締めくくるのは、フランス17世紀を代表する建築家、ジャック・アンドゥルエ・ド・セルソー(Jacques II Androuet du Cerceau/1550-1614)が設計したルネサンス建築のカビュ邸。現在ここは、オルレアン歴史・考古博物館になっています。館内にある「ジャンヌ・ダルクの間」はジャンヌの生誕600年を記念して、去年オルレアン美術館や歴史博物館に散っていたコレクションを集めて開館しました。大きいとはいえない展示室ですが、ジャンヌ・ダルクを表したありとあらゆる時代の作品が集まっています。
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パリの南西約130kmに位置するロワール河畔の街オルレアンは、サントル地域圏の首府、ロワレ県の県庁所在地。ロワール流域の戦略的要衝にあったため、中世の時代には、多くの戦いの舞台となった。ジャンヌ・ダルクゆかりの地として名高い。
また2000年にユネスコ世界遺産に登録された「ロワール渓谷」の一隅を成す。
- オルレアン観光局
http://www.orleans.fr/
- オルレアンでは毎年5月、ジャンヌによるオルレアン解放を記念して、解放の年の1430年から毎年盛大な式典が行われています。今年はジャンヌの生誕600年ということで、例年に増して多くのイベントが行われていますが、7月28日から10月14日まで、サン・ピエール・ル・ピュリエ参事会教会(Cloître St. Pierre Le Puellier)(Map8)では、約80点の作品と文書で、ジャンヌ・ダルクの軌跡をたどる「ジャンヌ・ダルク展」が開催されています。
- B1Fインフォメーション・センターでは、ジャンヌ・ダルクやオルレアンに関する関連書籍を閲覧いただけます。
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