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永井一正 特別インタビュー
僕と西洋美術の
巨匠たち

「西洋美術の巨匠と
グラフィックアーティストグッズ特集」開催!

銀座MMMに隣接するggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)では、「日本のアートディレクション展2018」が開催中(11月22日まで)。一方、丸の内の三菱一号館美術館の「全員巨匠!フィリップス・コレクション展」(2019年2月11日まで)も話題を呼んでいます。
MMMでは、ふたつの展覧会をつなぐ企画として「西洋美術の巨匠とグラフィックアーティストグッズ特集」と題して、アートグッズをご紹介します。
そこで、今月は、日本のグラフィックアート界を代表する巨匠であり、アーティストとしても世界的な評価を受けている永井一正さんにご登場いただき、ご自身の制作のこと、そして西洋美術の巨匠たちから得たものについてお話しいただきました。

MMM:永井さんは、展覧会にはよく足を運ばれますか?
永井一正さん(以下永井):はい。デザイン関係の展覧会にも行きますが、僕はやっぱりファインアートの作品の方が見たいという気持ちになります。89歳になった今でも、これはという展覧会には出かけて行きますよ。昨年は、六本木の国立新美術館で開催されたジャコメッティの展覧会に行って、とても感銘を受けました。
MMM:ご出身が東京藝術大学の彫刻科でしたね。ジャコメッティの彫刻は「フィリップス・コレクション展」にも出ていますが、どこに魅力を感じられるのでしょうか?
永井:ジャコメッティからは精神的な影響を受けました。彼の作品は、一見すると「あんな人間は存在しないだろう」と思わせるかもしれません。けれども、「人間とはこういうものである」という一切の既成概念を捨てて、人間を徹底的に凝視することから生まれた作品なんです。ですから、実物を見ると存在感がすごい。人間の本性を捉えているから、これほどの迫力と存在感があるのだと思いました。ジャコメッティの彫刻には、周囲の空気まで変えてしまう力があるんです。空間を支配している。それは彫刻のひとつの理想です。その精神を学びたいと思っています。

©Hisako Katayama

MMM:永井さんご自身、デザイナーとしてご活躍される一方で、アーティストとして制作もなさっていますが、それは、どんなお気持ちからでしょうか?
永井:デザインは明快に示すことが大切です。つまり、「影」よりも「光」の部分を展開していくものなんです。僕ももちろんデザイナーですから光の部分を持っていますが、その一方で、影の部分を捉えたい、という思いがあるんです。動物たちをテーマにした「LIFE」シリーズを創っているのは、そのためです。生きることの中には必ず光と影があるわけですから。また、デザインは、「経済」「社会」「文化」の三本柱の上に成り立っていて、人によってその比重が異なるわけですが、今の僕は経済性よりも社会性と文化性、アートの方に重きを置きたいと思っています。アートには、人を揺り動かし、感動させる強さがありますから。
MMM:70歳を過ぎてからエッチングを学ばれるなど、常に変化をされてきました。
永井:破壊の中にこそ創造はあると思っています。例えば、ピカソは僕の好きな画家のひとりですが、決して自分に満足をせず、92歳で亡くなるまで変わり続けましたよね。僕自身も、絶えず、変化をしてきました。抽象で評価を得ていたところで突然、具象に行ったので、当初は「永井は頭がおかしくなったんじゃないか」なんて言われてたり(笑)。今も毎年発表している「LIFE」も、同じものは二度と創りません。ピカソからは、自分の築き上げたものを崩して、新しいものに絶えず挑戦していく勇気をもらっている気がします。常に挑戦者でありたいのです。

©Hisako Katayama

MMM:MMMでは「暮らしにアートを」という考えを提唱しています。生活の中にアートを飾ることの効果をどのようにお考えでしょうか?
永井:僕も自宅に好きな作品を飾っていますよ。そこから、常に精神的な刺激を受けていると感じています。気持ちがシャキッとするんです。意識改革をして「頑張ろう!」というのではなく、知らず知らずのうちに何かを得ることができている、というのがいいですよね。

3Fアートスペースで開催中の「西洋美術の巨匠とグラフィックアーティストグッズ特集」では、日本を代表するグラフィック・アーティストのグッズと、西洋絵画の巨匠たちにちなんだグッズが幅広く揃います。

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