グラン・パレとグラン・パレ・ナショナルギャラリー
グラン・パレ・ナショナル・ギャラリー(GPNG) GPNG担当部長インタビュー グラン・パレについて
グラン・パレ・ナショナル・ギャラリー
1900年パリ万博のメイン会場として建設されたグラン・パレ。フランス国立の企画展ギャラリー、グラン・パレ・ナショナル・ギャラリーを擁するグラン・パレは、9月17日に大改装工事を経て再オープンしました。今年誕生100周年を迎えるフォーブ発祥の舞台ともなったグラン・パレは、この秋ぜひ出掛けてみたいスポットです。
グラン・パレとナショナル・ギャラリー
フランス芸術の殿堂「グラン・パレ」
1900年の万国博覧会に向け、シャルル・ジロー(Charles Girault)の監督のもと、アンリ・ドゥグラン(Henri Deglane)、アルベール・ルヴェ(Albert Louvet)、アルベール・トマ(Albert Thomas)の3人の建築家により、1897年から1900年にかけて建設されたグラン・パレ。
建設中のグラン・パレ
© Photo RMN/ Hervé Lewandowski
/ distributed by DNPAC
当時、共和国としてはまだ若かった“フランスが世界に誇れるフランス芸術の栄光に向けたパレスが誕生した”ともいわれました。その建築様式は、荘重で細密な装飾が示すように、19世紀末の特徴的なスタイルを持っています。
またシンボルでもある、高さ43メートルの鉄筋構造の丸屋根はシャンゼリゼ通りからもひときわ際立ち、当時の鉄骨建築の見事さを示す恰好の例となっています。

万博のメイン会場だったグラン・パレでは、万博終了直後から、芸術家団体*1主催による展覧会(特にフォービスムを生んだ「サロン・ドートンヌ*2」と「サロン・デ・ザンデパンダン*3」)が数多く開催。近代芸術の大きな潮流をここから世界に発信してきました。
また、パリ見本市・モーターショー・航空展示会などのフランスにとって大切な産業・科学にまつわる展示会も、パリ万博が遺した、全国の注目を集めるこの建物で行われました。

1937年には同じ建物の西部分に、物理学者ジャン・ぺラン(Jean Perrin)とポール・ランジュヴァン(Paul Langevin)の主導により、パリに科学を扱う大博物館を建築するというかねてからの計画を実現した「パレ・ド・ラ・デクーヴェルト(Palais de la Découverte)科学技術博物館」が開館しました。

1世紀を経て近年になっても、グラン・パレが持つ機能の多様性が認められます。1993年11月に修復のため閉鎖されるまで、多くのイベント(書籍展示会・国際現代アート見本市・骨董ビエンナーレ・「シーム」<美術館・展覧会見本市>・「ミュージコラ」<音楽見本市>など)が開催され続けていました。
「グラン・パレ・ナショナル・ギャラリー」の誕生
1959年、ドゴール大統領によって文化相に任命されたアンドレ・マルロー(André Malraux)は、グラン・パレの一部を利用して国際的な特別展覧会を開催していくことを決めました。このことから建物は、フランス情報文化省美術館総局に委ねられ、国有宮殿の主任建築家であるピエール・ヴィヴィアン(Pierre Vivien)の設計によるグラン・パレ・ナショナル・ギャラリーへと改装されました。

そして、ル・アーヴルの街に最初の文化会館を開設し、アーヴル美術館の元館長でもあったレイノルド・アーヌル(Raynold Arnould)が展覧会等の企画を担当するようになりました。以来、フランス国立美術館連合(RMN)によって企画された、絵画や文明の非常に質の高い企画展が途切れたことはありません。
*1サロンとフランス芸術家協会
1880年12月27日、首相であり、公教育美術大臣であったジュール・フェリーは、過去にサロンに当選した芸術家たちに対し、フランス芸術家協会(唯一のサロン継承団体)の創設を依頼し、1883年5月11日の勅令によって公共事業団体として認可されました。同時に、同協会は国家に代わり、毎年の美術展運営の業務を認められました。

*2サロン・ドートンヌ
マティスやルオーによって創立され、1903年グラン・パレではじめての展覧会が開催される。つねにアカデミスムに対抗し、前衛芸術を追求するサロンとして、今年生誕100年を迎えるフォービスムやキュビスムをここグラン・パレから誕生させた。

*3サロン・デ・ザンデパンダン
サロン・デ・ザンデパンダン会長ポール・シニャックとその友人たちの尽力によって開かれ、いまも定期的に行われている展覧会。グラン・パレで、初の展覧会が開催されたのは1920年のこと。
世界が注目するグラン・パレ・ナショナル・ギャラリー展
芸術の国フランスが発信する質の高い展覧会を企画
グラン・パレ・ナショナル・ギャラリーのすべての展覧会は、フランス国立美術館連合(RMN)によって企画・開催され、その呼びかけにより欧州内やアメリカの主要美術館と共同で行われたものも多くあります。フランスならではの深く独自の視点に基づいた展覧会はつねに高い評価を博し、海外に巡回されることもあります。この他にも、RMNの同意のもと、その他の文化機関(フランス外務省フランス芸術活動協会・造形芸術委員会)による特別展覧会も開催されています。
展覧会カタログ
グラン・パレ・ナショナルギャラリーで行われた展覧会のカタログはMMFインフォメーションセンターにてその多くをご覧いただくことができます。一部購入も可能です。
フランスの美術好きなら見逃さない展覧会
グラン・パレ・ナショナル・ギャラリーで最初に展覧会が開かれたのは1966年6月のことで、それは黒人芸術をテーマにしたものでした。同じ年の秋には、ピカソ展が開かれ、3ヶ月で40万人が訪れました。その後も、年に数度の企画展が開催され、特に秋には大規模な展覧会が開催されます。グラン・パレが再オープンされるこの秋にも2つの展覧会が開催予定。ナショナル・ギャラリーに立ち寄れば、常設の美術館とはひと味違ったフランス流の美術鑑賞が堪能できます。
グラン・パレ・ナショナル・ギャラリーで行われた主な展覧会
所在地
3, avenue du Général Eisenhower 75008 Paris
URL
http://www.grandpalais.fr/
開館時間
10:00-20:00、
水曜日のみ10:00-22:00
(受付は閉館時間の40分前)
※図書室…展覧会期間中10:00-19:15、水曜日は10:00-21:15
休館日
火曜日、1月1日、12月25日
入場料
・事前予約のある方
  一般:11.3ユーロ
  割引:9.3ユーロ(13-25歳)
・事前予約のない方
  一般:10ユーロ
  割引:8ユーロ(13−25歳)
 ※13歳未満は無料
事前予約による優先入場について
鑑賞の48時間以上前に予約すると、予約なしの場合よりも、少ない待ち時間で入場することができます。

オンライン予約が可能なサイト(人数制限で売切れとなる場合もございます):RMNFNAC(英語への切り替え:画面右上のイギリス国旗のアイコンを選択 )

パリはじめ全国に広がるFNAC各店では、直接現金またはクレジットカード払いで予約ができます。

万が一チケットがご予約出来なかった場合、開館直後もしくは夕方以降の時間帯は会場が比較的空いています。

ご不明な場合はMMFにご来館ください。

さらに、carte Sésameのをお持ちの方はグラン・パレ・ナショナル・ギャラリーで開催される全ての展覧会を好きな回数観ることができます。 (一年間有効)
グラン・パレ・ナショナル・ギャラリーの展覧会カタログ
MMFインフォメーションセンターでは、グラン・パレ・ナショナル・ギャラリーで行なわれた1997年以来の主な展覧会のカタログが閲覧可能です。
図録ラインナップはこちら

<展覧会情報>
2011年1/24まで開催中のモネの回顧展「クロード・モネ(1840-1926)」の図録をインフォメーション・センターでご覧いただけます!
数字で見るグラン・パレ・ナショナル・ギャラリー
○開催された展覧会の数
 245回
 ※近年では年4回のペースで開催。
○開館以来の来館者総数
 3,700万人
○年間平均来館者数
 約100万人
○年10ヶ月開館