フェルナン・レジェ美術館 ピカソ戦争と平和美術館 アンティーブ、ピカソ美術館
     
  フェルナン・ レジェ美術館 自然の中で楽しむレジェの造形美
  変化に富む美しい自然と、温暖な気候に恵まれた南フランス。一年を通じて世界中の人々を惹き付けてやまないこの地は、
古くから多くの芸術家たちを魅了してきました。
マティスシャガールルノワールの美術館を紹介した昨年に続き、MMFでは今年も、3ヵ月にわたって南仏からのミュゼレポートをお届けします。今月は、ニースとカンヌの間に位置する“ガラスと陶器の里”ビオットから、この夏にリニューアル・オープンしたばかりのフェルナン・レジェ美術館の魅力をレポート。
自然光に満ちたゆったりしたスペースで、レジェの朗らかな本質が見える明るい美術館です。

     
 
モダニズムの巨匠 レジェの軌跡を 辿るコレクション 憩いの場としての美術館

 フェルナン・レジェ(Fernand Léger)は1881年、ノルマンディに生まれました。若い頃は製図工などをしながらパリで絵を学び、モディリアーニ(Amedeo Modigliani)やシャガール(Marc Chagall)などのエコール・ド・パリの面々が集まっていた「ラ・リュッシュ(蜂の巣)」と呼ばれるアトリエに住み、ピカソの画商であったカーンワイラーに認められます。

 前衛グループ「セクシオン・ドール(黄金分割)」※1のメンバーとなり、キュビスム運動の新しい方向性を模索し、第一次世界大戦やアメリカ滞在の経験によって、グラフィックで明快な色を使う独自のスタイルを生み出しました。また壁画や舞台装置、挿絵、陶器、ステンドグラス製作など、多様な分野で創作活動を行ったことでも知られています。

▲開館時にピカソやブラック、シャガールが立ち会ったことが記されたプレート。
 美術館のあるビオットは南仏のニースの近くにある陶器の有名な産地で、1950年頃からレジェはこの地で陶器製作に携わりました。レジェは太陽が降り注ぐこの地を愛し、購入したのが海と山を望む丘の上にある現在の場所でした。残念ながらレジェは1955年、土地購入の一ヵ月後に没しましたが、ナディア未亡人(Nadia Léger)とその新しい夫のジョルジュ・ボーキエ(Georges Bauquier)が尽力し、1960年にレジェ美術館開館の運びとなりました。その後美術館は土地、建物、コレクションともフランスに寄付されて国立美術館となりました。

 
※1 セクシオン・ドール(黄金分割)
画家ジャック・ヴィヨン(Jacques Villon)を中心に結成された前衛グループで、<ピュトー派>とも呼ばれる。ムーブメントとしてのキュビスムを展開させ、多くの共鳴者を獲得した。1912年のセクシオン・ドール展には、デュシャン(Marcel Duchamp)やピカビア(Francis-Marie Martinez Picabia)、レジェ、メッツァンジェ(Jean Metzinger)をはじめ、多くの芸術家が参加した。
 

田中久美子(Kumiko Tanaka/写真・文)

モダニズムの巨匠 レジェの軌跡を 辿るコレクション 憩いの場としての美術館

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フォンテーヌブロー城美術館
所在地
Chemin du Val de Pome 06410 Biot
Tel
+33(0) 4 92 91 50 30
Fax
+33(0) 4 92 91 50 31
URL
http://www.musee-fernandleger.fr/
開館時間
<6月1日- 10月31日>10:00-18:00
<11月1日- 4月30日>10:00-17:00
休館日
火曜日、12月25日、1月1日、5月1日
入館料
<常設展>
一般:4.5ユーロ
割引料金(18歳〜25歳):3ユーロ
18歳未満:無料
*毎月第一日曜は無料。
<企画展+常設展>
一般:6.5ユーロ
割引料金(18歳〜25歳):5ユーロ

アクセス
SNCFビオット(Biot)駅、またはSNCFアンティーブ(Antibes)駅より、バスでフェルナン・レジェ美術館(Musée Fernand Léger)下車。


ビオット基本情報
プロヴァンス地方、ニースとアンティーブの間に位置する人口約7000人の小さな村。レジェ美術館のほか、20世紀にはじまったガラス細工の町として知られている。旧市街には、中世の町並みが残る。
ビオット観光案内所
http://www.biot.fr/

MMFで出会える フェルナン・レジェ美術館
MMFのB1Fインフォメーション・センターでは、カタログやガイドなどフェルナン・レジェ美術館の関連書籍を閲覧いただけます。

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