フランス文化庁からの依頼を受け、現代彫刻家アンソニー・カロが2000年から制作を進めてきた歴史的建造物サン・ジャン・バチスト教会(Saint Jean-Baptiste)内陣のインスタレーション完成を祝して、ノール=パ・ドゥ・カレー地方では異なるテーマによる大規模な回顧展が同時開催されています。1月号では、カレーのレース博物館とダンケルクの現代美術館で開催中の回顧展を紹介しました。今月は、グラーヴェリンのデッサン版画美術館で開かれている展覧会をレポートします。
1981年〜2002年に制作された作品55点(ブロンズ・銅・鉄・木の彫刻22点+紙彫刻作品33点)が展示されます。グラーヴェリン城の元火薬庫という力強く地味なイメージを背負った展示室と対話するような形態と想いをもった彫刻作品が選ばれています。地下に飾られた「sculptures en papier(紙彫刻)」シリーズは1990年の日本滞在の際に紙職人オオエ氏のアトリエに滞在した経験から生まれたもので、紙の多様性と額内で紙彫刻が見出す奥行きの感じられる作品です。
取材:日向倫子(Michiko HYUGA)
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