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藤田嗣治の猫が楽しめる、とっておきの2冊
『フジタ 狂乱の時代の画家』
FOUJITA peindre dans les années folles
『藤田嗣治画文集 猫の本』
Foujita's Paintings of Cats

没後50年を記念して、回顧展も開催中!
猫好き芸術家といえば、やっぱり藤田嗣治

 MMMでは、「芸術家は猫がお好き」と題して、全館で猫とアーティストにフォーカスした特集を展開中。そこで、今月はライブラリからも、とりわけ猫を愛したことで知られる画家・藤田嗣治にちなんだ書籍を2冊紹介します。

 1冊目は、今年3月から7月まで、パリのマイヨール美術館にて開催された藤田の回顧展「フジタ 狂乱の時代の画家」の公式図録です。
 「狂乱の時代」とは、第一次世界大戦が集結した1918年から、1929年の世界大恐慌までの約10年間のこと。好景気を背景に活気を取り戻した「芸術の都」パリには、世界中から若き画家たちが集まり、しのぎを削りました。「エコール・ド・パリ」と呼ばれる彼らの中でも、画壇の寵児として一世を風靡したのが、藤田嗣治。「素晴らしき乳白色」と称された白い肌に、日本画用の面相筆で引いた繊細な輪郭線という独自のスタイルの裸婦像で、人気を博しました。
 展覧会は、藤田が名声を確立した「狂乱の時代」にフォーカス。藤田のレゾネを編んだことで知られる藤田研究の権威・シルヴィー・ビュイッソンが監修を手がけただけあって、これまで未発表の個人蔵作品を数多く含む、見応えのある内容です。もちろん、猫の絵もたくさん登場するので、ぜひ、図録でご覧になってみてください。
 もう一冊は、タイトル通り、猫ばかりを集めた藤田の画文集。1930年にニューヨークで出版された挿絵本『猫の本』に収められたドローイングをはじめ、猫の魅力を知り尽くした愛猫家・藤田が描いた猫130匹余りを、猫に対する思いを綴った藤田の文章とともに紹介したロングセラーです。
 今年は没後50年の節目の年にも当たる藤田嗣治。東京・上野で開催中の「没後50年 藤田嗣治展」も話題を集めています。ぜひ、藤田の猫を探しに、MMMヘも足をお運びください。

※こちらでご紹介する書籍は地下1階のMMMライブラリにて閲覧いただけます。
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Update : 2018.9.3

(上)『フジタ 狂乱の時代の画家』
FOUJITA peindre dans les années folles
29.1×22.6cm/192ページ
フランス語/2018年
著者:シルヴィー・ビュイッソン、アンヌ・ル・ディベルデ他
出版社:Cultureespaces
本体価格:記載なし
(下)『藤田嗣治画文集 猫の本』
Foujita's Paintings of Cats
22.8×18cm/96ページ
日本語/2003年
著者:藤田嗣治、高階秀爾
出版社:講談社
本体価格:3,000円(税別)
※この情報は2018年9月更新時のものです。

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