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コートールド美術館をより深く知る
『コートールド・
ギャラリー傑作集』The Courtauld Gallery Masterpieces

展覧会の予習・復習にも最適な一冊

 東京都美術館で昨年12月15日まで開催されていた「コートールド美術館展 魅惑の印象派」は、今年は愛知県美術館へと場所を移し1月3日から3月15日まで展覧中です。本展にちなみ、今月は本国イギリスの『コートールド・ギャラリー傑作集』をご紹介します。
 イギリスの実業家サミュエル・コートールドが1932年にロンドンに創設したコートールド美術館は、今回、日本に約20年ぶりに来日したマネ最晩年の傑作《フォリー=ベルジェールのバー》をはじめ、印象派、ポスト印象派のコレクションで名高い美の館。サマセットハウスという新古典主義の壮麗な建物の中心をなしています。
 また、コートールド美術館は、ロンドン大学に付属する美術研究所の施設として開館したため、そのコレクションだけでなく、美術史と保存科学の研究の場としても一目置かれる存在です。創設者のサミュエル・コートールドは、まだイギリスでフランスの印象派やポスト印象派の価値が認められていなかった頃から、その価値を高く評価し、基金を創設してイギリスの美術教育の啓発にも当たりました。コートールド美術館のコレクションは、彼の審美眼と社会的貢献の両輪によって築かれたのです。
 本書はコートールド美術館の歴史をはじめ、代表的なコレクションをコンパクトな一冊で楽しめるようにまとめられた傑作集です。今回、日本で開催中の巡回展では出品されていないフラ・アンジェリコやボッティチェリ、デューラーやクラナハといったオールド・マスターの作品も掲載されています。世界有数の美術研究機関でもあるコートールド美術館の作品解説はもちろん必見。展覧会訪問前後の予習や復習にも最適な一冊です。
※ライブラリでは日本開催の展覧会図録もあわせて閲覧いただけます。

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Update : 2020.1.6

『コートールド・ギャラリー傑作集』
The Courtauld Gallery Masterpieces
25×21cm/127ページ
英語/2007年
著者:デボラ・スワロー
出版社:SCALA
本体価格:記載なし
※この情報は2020年1月更新時のものです。

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