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空前絶後のレオナルド・ダ・ヴィンチ展@ルーヴル
『レオナルド・ダ・ヴィンチ』
Léonard de Vinci

ルーヴルで開催中の展覧会の公式図録

 パリ、ルーヴル美術館では現在、レオナルド・ダ・ヴィンチ展が開催中です。レオナルドの没後500年を記念したこの特別展、単なる回顧展ではありません。レオナルドの着彩画のおよそ3分の2が集まるという、空前絶後の大回顧展なのです。今月は、MMMライブラリに届いたばかりの、その公式図録をご紹介いたします。
 レオナルドはとても有名な画家ですが、現在残されている絵画作品は少なく、その数は、15点前後とされています。つまり、《モナ・リザ》《岩窟の聖母子》《ミラノの貴婦人の肖像》《洗礼者聖ヨハネ》《聖アンナと聖母子》と、5点の着彩画を所蔵するルーヴル美術館は、実に、レオナルドの絵画作品の3分の1を所蔵しているというわけです。さらに、ルーヴルのコレクションには、この5点に加えて、22点のデッサンも含まれているのです。
 これだけでも十二分に見応えのあるレオナルド展ができるコレクションですが、今回はそこに、ウフィツィ美術館や大英博物館、ナショナル・ギャラリー(ロンドン、ワシントンともに)、メトロポリタン美術館、クラクフ国立美術館など、世界各国の美術館から絵画や手稿、デッサンなど120点近くが集められました。誇るべきは、出品点数だけではありません。例えば、ウフィツィからは《キリストの洗礼》(ヴェロッキオとの共作)と《受胎告知》、ヴァチカンからは《聖ヒエロニムス》、クラクフからは《白テンを抱く少女》など、各館の「秘蔵っ子」とも言える名画が結集しているのです。ロンドンのナショナル・ギャラリーからは《岩窟の聖母子》や《聖アンナと聖母子》(素描)が出品されているので、ルーヴルの同題作品との見比べもできるという、本当に豪華な展覧会です。
 美術ファンなら、今すぐ航空券を予約して、パリへと飛びたい気持ちに駆られますが、それが叶わない方はぜひ、この図録をご覧ください。最新の研究報告も含めて、今回の展覧会の全てを収めた480ページです。

※こちらでご紹介する書籍は地下1階のMMMライブラリにて閲覧いただけます。
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Update : 2020.2.3

『レオナルド・ダ・ヴィンチ』
Léonard de Vinci
24.5×28.5 cm/480ページ
フランス語/2019年
著者:ヴァンサン・デリュヴァン他
出版元:HAZAN
本体価格:35ユーロ
※この情報は2020年2月更新時のものです。

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