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パリの個性的な美術館ガイド
『パリの一風変わった
美術館』
Musées insolites de Paris

パリ1区から20区までの美術館をコンパクトに紹介

 長く厳しいヨーロッパの冬を越えて、花々が咲きほころぶ5月。そんな春の訪れは、美術館にもやってきます。毎年5月18日が「国際博物館の日」であることはご存知ですか? 2005年以来、フランスをはじめヨーロッパ各国では、5月18日にもっとも近い土曜日を「ヨーロッパ美術館の夜」として、夜間に美術館を無料で開放する文化イベントが開催されています(※新型コロナウイルスの影響のため、イベント開催未定)。人々に美術館にもっと親しんでもらいたいという想いから始まったこのイベントにちなんで、今月はパリの個性的なミュゼガイドをご紹介します。
 パリといえば、ルーヴル美術館やオルセー美術館をはじめ、世界的に名高い大規模なミュゼが多くあります。でも、そうした誰もが知っている巨大美術館だけがパリの魅力ではありません。小さいながらもテーマを絞った個性豊かなミュゼが点在するのも、美の都パリが多くの人々を惹きつける理由でもあります。
 『パリの一風変わった美術館』では、パリ1区から20区までの多種多様な美術館・博物館を紹介し、その成り立ちや所蔵品について分かりやすく解説しています。たとえば、太陽王ルイ14世が創設を命じたフランスを代表する劇団「コメディ=フランセーズ」の劇場付属の博物館では、フランスの偉大な劇作家モリエールの胸像はもちろん、300年以上の歴史を刻むこの劇団の歩みを感じられる絵画作品などを鑑賞することができます。また、香水をテーマとした「フラゴナール香水美術館」や、フランスの国民的シャンソン歌手、エディット・ピアフの愛用品やその生涯を展覧する「エディット・ピアフ博物館」、息を飲むほどの美しい鉱物に出会える「鉱物博物館」など、自然や歴史、科学、宗教といった多岐にわたるテーマのミュゼが、ページを繰るたびに次から次に登場します。1区から20区までのエリア別に各施設の基本情報が掲載されたハンディタイプなので、実際にパリを旅する際のガイドブックとしても、またいつか訪れたいミュゼの予習用資料としてもうれしい一冊です。

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Update : 2020.5.7

『パリの一風変わった美術館』
Musées insolites de Paris
21×14cm/191ページ
フランス語/2005年
著者:ドミニク・レブロ
出版社:PARIGRAMME
本体価格:19ユーロ
※この情報は2020年5月更新時のものです。

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