©Lina Nakazawa
▲センターで修復したステンドグラス。
© Lina Nakazawa
さて、再び1階へ戻ると、右手には工房、ワークショップがあります。国際ステンドグラス・センターの大きな使命のひとつは「教育」・「技術の継承」。このワークショップでは、年間約400人の研修生が世界中から集まり、ステンドグラスの技術を学んでいます。なかには、プロのステンドグラス職人や修復家になる人もたくさんいるそうです。
フランスには中世から伝わる多くのステンドグラスがあり、修復を必要とするものも当然のごとく多くあります。そこで、国際ステンドグラス・センターでは、中世から伝わる技法を今日に継承し、さらには未来に向かって新しい人材を育成することで、その技術と作品の保存に貢献しているのです。
また、古来の技術を日々研究しながらも、そこに新しい風を吹き込んでいくことも忘れません。新しい技術が生まれることによって、新たな表現方法が可能になり、それがこれまでにない作品を生み出していくことになるのです。そのような研究を行うのもセンターの役割のひとつです。ワークショップの一部は一般に公開され、ステンドグラスの技法の説明や、センターで復元されたシャルトル大聖堂のステンドグラスなどが展示されています。
中世のステンドグラスの代名詞でもあるシャルトルで、ステンドグラスが放つ光を通し、過去と現代、未来をつなぐ縦の線、そしてフランスと他の国々をつなぐ横の線の交差点として、我々を迎えてくれるのがこの国際ステンドグラス・センターなのです。
▲ステンドグラスの技法のステップを説明する展示ケース。
© Lina Nakazawa
▲センターから見た大聖堂の眺め。
© Lina Nakazawa
文:中澤理奈(Rina NAKAZAWA)
© Centre international du vitrail以外の写真:中澤理奈
▲国際ステンドグラス・センターの外観。
©Centre international du vitrail
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所在地
5, rue du Cardinal Pie 28000 Chartres
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Tel
33(0) 2 37 21 65 72
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Fax
33(0) 2 37 36 15 34
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E-mail
contact@centre-vitrail.org
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開館時間
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月曜〜金曜日:9:30-12:30、13:30-18:00
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土曜日:10:00-12:30、14:30-18:00
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日曜・祝日:14:30-18:00
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入館料
一般:4ユーロ
割引料金:3ユーロ
※14 歳未満は無料
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フランス北部、<フランスの穀倉>ボース平野の中心に位置する古都で、ウール・エ・ロワール県の県都。古代ローマ以前にはガリア人の聖地、キリスト教化されて以降もマリア信仰の巡礼地として栄えた。世界遺産のノートルダム大聖堂(通称、シャルトル大聖堂)のある旧市街には、今も中世の面影を宿す町並みが残されており、多くの観光客を集めている。毎年春から秋にかけて、大聖堂をはじめ街の各所をライトアップするイベント「光と香水の街シャルトル」が開催されている。2008年は4月11日から9月20日まで。
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アクセス
<列車>パリ、モンパルナス
(Montparnasse)駅から急行列車で約50分、シャルトル(Chartres)駅下車。
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シャルトル観光案内所
http://www.chartres-tourisme.com
*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。