パリ西部16区の高級住宅地パッシー。
豪華なお屋敷が立ち並ぶ住宅街の中に、ひっそりと佇むのがワイン博物館です。パッシー地区は土地の高低の差が大きく、ワイン博物館の正面入り口を抜けると、そこは建物の地下室部分。まるで洞窟の中を歩いているような気分になります。この博物館はその昔、修道院のワインセラーとして使われていたという、ワインの歴史・伝統を物語るのにふさわしい場所なのです。
折しも毎年11月の第3木曜日はボジョレ・ヌーヴォーの解禁日。この機会にワインの歴史に触れてみませんか?

現在ワイン博物館が建つパッシー地区一帯では、13世紀から18世紀にかけて石灰岩が採掘されていました。この石灰岩は「ルテシア階(étage Lutécien)」という世界的に有名な地質で、ノートル=ダム大聖堂をはじめ、パリのさまざまな建造物、特に橋の建設に用いられていました。ちなみに「ルテシア」とはパリの旧称を指します。
1493年、イタリアのカラブリア州からやって来た修道士フランソワ・マルトリーユ(François Martorille)はパッシーに修道院を創設します。「パオラの聖フランチェスコ(Saint François de Paule)」と呼ばれるこの人物は、数々の奇跡を起こすことで知られており、高齢による衰弱を治してもらいたいと考えたルイ11世(Louis XI)がフランスに招聘しました。王の願いはかなわず、1483年にルイ11世はこの世を去りますが、後継者シャルル13世(Charles XIII)は、フランソワが1472年にイタリアで設立したミニミ修道会をフランスにも創設することを望みます。ローマ教皇の教えに厳しく従い、庶民階級に広く流布したミニミ修道会が、国民を統制するのに役立つと考えたためです。
パッシー地区に設立されたパッシー・ミニミ会修道院(Couvent des Minimes de Passy)は、現在のベートーヴェン通り(rue Beethoven)に位置していたといわれています。修道院の庭はセーヌ河沿いまで広がり、敷地内には野菜畑やワイン用のブドウ畑がありました。ルイ13世(Louis XIII)は、ブーローニュの森で狩りをした帰りに、パッシーで造られたワインを味わうことを好んだといいます。現在のワイン博物館の空間は、パッシー・ミニミ会修道院で造られたワインを保管する倉庫として使われていました。

© Musée du Vin Paris

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▲左右写真:ワインを造る修道士たちを再現した展示 |
- 所在地
Rue des Eaux - 5 Square Charles Dickens 75016 Paris - Tel
+33 (0)1 45 25 63 26 - E-mail
info@museeduvinparis.com - URL
http://www.museeduvinparis.com/ - 開館時間
10:00-18:00
*レストランは博物館開館日の
12:00-15:00 - 休館日
月曜日 - 入館料
一般:
11.9ユーロ(日本語オーディオガイド+グラスワイン1杯付き)
割引料金:
9.9ユーロ(日本語オーディオガイド付き) - アクセス
地下鉄6番線パッシー(Passy)駅より徒歩。
12/6(月)18:30-20:00
12/13(月)18:30-20:00
銀座にて『シャンパーニュの歴史とアート、そしてワイン』を開催!お申込み受付中。
- インフォメーション・センターでは、パリ・ワイン博物館のガイドやパンフレット(日本語)などを閲覧いただけます。

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