フェルナン・レジェ美術館 ピカソ戦争と平和美術館 アンティーブ、ピカソ美術館
 
  ピカソ戦争と平和美術館   ピカソ戦争と平和美術館
 
ヴァロリスで始めた陶器制作 戦争に対する抗議から生まれた作品 禍いと平安の対比による構成

▲町の中心にあるヴァロリス城。城内にはこの美術館の他、陶磁器美術館とこの土地の芸術家にちなんだマネーリ美術館が併設されている。
 ヴァロリス城内の12世紀建造の礼拝堂を装飾するアイディアは、1951年、その場所でピカソの70歳の誕生日を祝った宴の席で生まれたものといわれています。南仏では50年代にマティス(Henri Matisse)やシャガール(Marc Chagall)、レジェ(Fernand Léger)、ボナール(Pierre Bonnard)などが教会の装飾や聖書をテーマにした作品を手がけていました。ピカソも人々の魂に訴える作品を制作したいと願い、その展示場所にこのロマネスク様式の礼拝堂を選んだのでした。
 壁画のテーマは≪戦争と平和≫。1937年、内戦中のスペインで、フランコの要請によって行われた、ナチス空軍のバスク地方無差別爆撃に抗議して描いた≪ゲルニカ≫。また第2次世界大戦後に勃発した朝鮮戦争を憂えての1951年の≪朝鮮虐殺≫と同様、戦争の悲惨さを描き、平和を希求する強いメッセージ性を持っています。壁画はヴァロリスのアトリエで1952年に完成し、幾つかの場所で展示された後、1959年に礼拝堂に飾られました。壁画は礼拝堂の身廊部分を覆い尽くしています。ピカソはこの礼拝堂を「平和のテンプルにしたい」と望んでいました。
 
▲ヴァロリス城内中庭。左側に礼拝堂がある。

田中久美子(Kumiko Tanaka/写真・文)

ヴァロリスで始めた陶器制作 戦争に対する抗議から生まれた作品 禍いと平安の対比による構成

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所在地
Place de la Libération 06220 Vallauris
Tel
+33(0)4 93 64 71 83
Fax
+33(0)4 93 64 50 32
URL
http://www.musee-picasso-vallauris.fr/
開館時間
<6月15日-9月14日>
10:00-12:15、14:00-18:00
<9月15日-6月14日>
10:00-12:15、14:00-17:00
休館日
火曜、1月1日、5月1日、11月1日、11月11日、12月25日
入館料
一般:3.25ユーロ
割引料金(16歳〜25歳):1.70ユーロ
16歳未満:無料
*毎月第一日曜は無料。

アクセス
SNCFゴルフ・ジュアン(Golfe Juan)駅下車、バスでヴァロリス中心地、美術館まで約20分


ヴァロリス基本情報
プロヴァンス地方、カンヌの北東に位置する山間の小さな町。陶器に適した良質の粘土質の土壌をもつため、古くから陶芸の町として栄えた。現在も町には陶器店や工房が軒を連ねる。
ヴァロリス・ゴルフ・ジュアン観光局

MMFで出会えるヴァロリスのピカソ
MMFのB1Fインフォメーション・センターでは、ヴァロリスのピカソ戦争と平和美術館に関するガイドやカタログを閲覧いただけます。
  また、現在国立新美術館とサントリー美術館で開催中の「巨匠ピカソ」展のカタログも閲覧いただけます。「MMFのライブラリーから」では、写真家ブラッサイが撮影したピカソとその作品の写真集をご紹介しています。