
アキテーヌ地方の太古から現在までの歴史を辿ることのできる博物館をご紹介しましょう。
内陸部のレ・ゼジー(Les Eyzies)やラスコー(Lascaux)の先史時代の遺跡をはじめ、アキテーヌ地方には歴史的に重要な遺跡がたくさんあり、遺物も多く出土しています。この博物館はアキテーヌ地方の先史時代から現代までを、歴史、考古学、民俗学の観点から紹介し、70万点にのぼる所蔵コレクションは、充実した内容を誇っています。
展示は先史時代から始まります。旧石器時代から青銅器時代までの発掘品が展示され、人類の営みが時代を追って説明されています。この美術館の最古の所蔵品は紀元前2万5000年から2万年と推定される≪角を持ったヴィーナス≫。石灰石に豊潤な女神が彫られており、素朴ながら味わい深い作品です。芸術性の高さから<先史時代のシスティーナ礼拝堂>と呼ばれたラスコーの壁画の部分復元もあり、いにしえの人々の自然に対する鋭い観察眼に驚かされます。
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次はガリア=ローマ時代の展示ですが、出土品の多くは18世紀にボルドーの都市計画の工事中に見つかったものです。これを機にボルドーの考古学熱が高まり、一層の研究が進みました。この美術館の見どころのひとつである青銅のヘラクレスはほぼ等身大で、差し出した右手やまなざしがとてもリアルに表現されています。
中世は、この地方が英国領となったりフランス領に戻ったりと波乱の時代でもありました。教会建立が続き、宗教芸術が盛んとなった時代で、博物館の展示にも柱頭やゴシック様式のバラ窓の枠などが見られます。
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この博物館において、アキテーヌの近代は再びフランスの領地となった15世紀から始まります。ルネサンス期の16世紀、『随想録(エセー)』(Essais)を発表したボルドー出身の人文主義者、モンテーニュ(Michel de Montaigne)の墓碑が残っています。18世紀にはボルドーの大航海時代が始まり、植民地との中継貿易で都市は潤います。その当時の活気ある様子も展示室に再現されています。またこの時期ボルドーは奴隷貿易の本拠地のひとつでした。今年から奴隷貿易とその廃止についての展示コーナーが設けられ、歴史の影の部分にも光を当てる試みがなされています。
その後、18世紀の革命期、19世紀、20世紀の情勢、市民生活の様子なども紹介されています。
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1824年に建設された中継貿易時代の羊毛倉庫が、往時の外観を留めたまま改装され、ボルドーの現代美術の発信地となっています。
石とレンガ造りのアーチが見える吹き抜けの中央部分が、企画展示が行われるメイン・ホールです。空間を活かした大きな作品が展示されることが多く、コンテンポラリー・アートのダイナミズムを実感させてくれます。小部屋では700点にものぼるコレクションの中から選ばれた作品展示が随時行われています。
- 所在地
20 cours Pasteur 33000 Bordeaux - Tel
+33(0)5 56 01 51 00 - URL
http://www.bordeaux.fr - 開館時間
11:00-18:00 - 休館日
月曜、祝祭日 - 入館料
常設展:無料
企画展:5ユーロ
- 所在地
7 rue Ferrère 33000 Bordeaux - Tel
+33(0)5 56 00 81 50 - Fax
+33(0)5 56 44 12 07 - URL
http://www.bordeaux.fr - 開館時間
11:00-18:00
*水曜は20:00まで開館 - 休館日
月曜、祝祭日 - 入館料
常設展:無料
企画展:5ユーロ
- MMFインフォメーション・センターでは、ボルドーを中心としたアキテーヌ地方の美術館や博物館の図録などを閲覧いただけます。

*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。