シャンパン法と呼ばれる独自の発酵方法によって作られた発泡酒のことです。
この地で作られた発泡酒だけがシャンパンと名乗ることができます。
17世紀の修道士、ドン・ペリニョン(Dom Perignon)が第1次発酵が終わったワインを
ブレンドすることを考案し、糖分を加えて第2次発酵の時に炭酸ガスを発生させることで、
爽やかな飲み心地の酒が生まれました。

ランスは隣町のエペルネ(Epernay)とともにシャンパン醸造の中心地として名を馳せています。ランスの地下はローマ時代の石切り場となっており、年間を通して10度前後という安定した温度を保てるので、シャンパンの醸成にぴったりなのです。ランスにシャンパンのメゾンが多いのは、この採石場を利用しているからです。
ヴランケン・ポメリー社のカーヴは地下30m、全長18kmもある広大なものです。116段の階段を下ると、ひんやりとした冷気が感じられます。
壁のところどころにローマ人がつけた、のみの跡が見えます。ポメリー社のシャンパンを辛口に改良し、世界的に有名にしたのは19世紀末にこのメゾンを夫から引き継いだマダム・ポメリー(Madame Pommery)ですが、彼女は芸術の愛好家でもありました。カーヴ内には彼女が作らせた巨大なレリーフが、また階上の入り口の広間にはエミール・ガレ(Charles Martin Émile Gallé)が1904年の万博に出品した大樽があります。
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その伝統を継承し、ヴランケン・ポメリー社はカーヴで定期的にアート作品の展示を行っています。6月末まで開催されているのは、EC加盟27カ国の54人のアーティストの作品を紹介する「現代ヨーロッパのアート」展です。各国のアート雑誌と提携し、まさにその国の“今”を表現する作家ばかりを一堂に集めた、興味深い展覧会となっています。またカーヴ内に展示するため、その場で創作されたものもあり、ここでしか見られない作品もいくつかあります。政治や歴史、社会的背景を投影したメッセージ性の強い作品も多く、同時代を生きる多くの人々に鑑賞してもらいたいと願わずにはいられない展覧会です。
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