▲ダンケルクの港に停泊するDuchesse Anne号。1981年に歴史建造物に指定され、内部を見学することができる。
© Office de Tourisme Dunkerque-Dunes de Flandre
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この街の名が世界的に有名になったのは、第二次世界大戦下でのこと。1940年、34万人ものイギリス、フランス軍が、激しい爆撃のなかこの街からイギリスへと脱出を図ったのです。この「ダンケルクの戦い」によって、町の8割以上が破壊されるという悲劇に見舞われました。しかし戦争の傷跡は、1957年以降の工業化によってみごとに復興されました。現在では人口7万人を要する大都市にまで発展し、1月末から4月初頭の間の約2ヵ月半にわたって開催されるカーニバルなどでも有名です。市内を練り歩くブラスバンドや夜間に開催される舞踏会など、市民も観光客もともに祭りの雰囲気を楽しみます。また、14世紀に建造された高さ約60mの鐘楼は街のシンボル的存在。18のカリヨンが打ち鳴らす中世からの響きは、この街の長い歴史を思い起こさせてくれるでしょう。
▲街を見守る鐘楼。
© Office de Tourisme Dunkerque-Dunes de Flandre
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▲ダンケルクのカーニバル。
© Office de Tourisme Dunkerque-Dunes de Flandre
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現代美術のコレクターだったダンケルク市民ギルベール・ドレーヌ(Gilbert Delaine)が、1000点にもおよぶコレクションを市民に公開する目的で1981年に開館した美術館。全館の改装工事を経た2005年、「LAAC」の名で、再スタートときりました。鉄鋼・製鉄超の盛んなダンケルクらしく、鉄をモチーフに活躍する彫刻家アンソニー・カロの作品群と調和するような建築も見どころです。8角形をした開放的な展示室では、360度自由に彫刻作品を鑑賞できるように工夫されています。フランス語で湖のことを「LAC」といいますが、まるで湖に浮かぶように建てられたこの美術館の呼称「LAAC」は言葉遊びにもなっています。
創設者ギルベール・ドレーヌの所蔵品1000点に加え、2005年以降の寄贈・購入作品200点。スーラージュ(Pierre Soulages)、サム・フランシス(Sam Francis) 、アンソニー・カロ(Anthony Caro)、セザール(César)、アルマン(Arman)らの絵画・彫刻作品。またカレル・アペル(Karel Appel)をはじめとした1940年代後半〜1950年代初頭にかけての前衛美術グループ、コブラ(Groupe Cobra)の作品なども充実。
▲湖に浮かぶように建てられた美術館外観。
© Ville de Dunkerque
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▲1階の常設展示室。
Karel Appel © Michiko HYUGA
Karel Appel © Michiko HYUGA
▲2階から見た美術館。ガラス窓が多く明るい陽光が差し込む。
© Michiko HYUGA
© Michiko HYUGA
取材:日向倫子(Michiko HYUGA)
- 所在地
Jardin de sculptures - 59140 Dunkerque
- Tel
+33(0)3 28 29 56 00
- E-Mail
art.contemporain@
ville-dunkerque.fr
- 開館時間
<月曜-金曜>
10:00-12:00、14:00-17:30
<土曜>
10:00-12:00、14:00-18:30
<日曜>14:00-18:30
- 休館日
<火曜-日曜>10:00-12:15、14:00-18:30
*木曜は20:30 まで開館。
*ガイド付きグループ見学(英語、フランス語、オランダ語)あり。 毎週木曜17:30-20:30(要予約)
- Office de Tourisme Dunkerque Dunes de Flandre(ダンケルク観光局)
http://www.ville-dunkerque.fr/
- URL
北フランスには、今回ご紹介した美術館のほかにも「ラ・ピシーヌ、ルーベ工芸美術館」など、多くの美術館があります。MMFのB1Fインフォメーション・センターにて関連図書を閲覧いただけます。
*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。