• 1.フランス漫画博物館
  • 2.過去と現在の漫画をめぐるコレクション
  • 第37回アングレーム国際3.漫画フェスティバル
  • 4.フェスティバル受賞作品一覧

フランス漫画の聖地アングレーム−「国際漫画フェスティバル」に沸く町−

2.過去と現在の漫画をめぐるコレクション

フランス漫画「BD」の古典的名作

 アングレームでこの博物館を訪れる楽しみのひとつは、過去、そして現在のフランス語圏の(あるいは仏訳されフランスで知られるようになった)漫画、「BD」史上に燦然と輝く作家たちや、その有名キャラクターに出会えることです。例えば、アメリカの作家ウインザー・マッケイ(Winsor McCay/1867-1934)の『リトル・ニモ(Little Nemo)』、エミール=ジョゼフ・ポルフィール・パンション(Émile-Joseph Porphyre Pinchon/1871-1953)の『ベカシン(Bécassine)』、ルイ・フォルトン(Louis Forton/1879-1934)の『怠け者(Les Pieds Nickelés)』、サン=トガン(Alain Saint-Ogan/1895-1974)の『ジグとピュス(Zig et Puce)』などです。

 
 
▲パンションとコウムリー(Caumery)『ベカシン、ボーイスカウトに入る(Bécassine fait du scoutisme)』原画26。
© citebd
 
 
 
▲ルイ・フォルトンの『怠け者』。
© citebd
 
 
 
▲サン=トガンの『ジグとピュス』。
©Droits réservés
 

『タンタン』をはじめとする近年の成功作

 最近まで活躍していた作家たちの成功作にも、スポットが当てられています。中でも、世界的な人気キャラクターといえば、エルジェの『タンタン』でしょう。そのほか、アンドレ・フランカン(André Franquin/1924-1997)が描いた『スピルーとファンタジオ(Spirou et Fantasio)』や『ガストン・ラガフ(Gaston Lagaffe)』、ベルギーの作家モーリス(Morris/1923-2001)が描く孤高のカウボーイ『ラッキー・ルーク(Lucky Luke)』、今回のフェスティバルの直前に亡くなったジャック・マルタン(Jacques Martin/1921-2010)の古代の英雄『アリックス(Alix)』、イタリアの作家ユーゴ・プラット(Hugo Pratt/1927-1995)の描くロマンチックな冒険家『コルト・マルテーズ(Corto Maltese)』など、個性的な主人公の作品が揃います。

 
 
▲フランカン『ガストン・ラガフ』のno.548のギャグ。© citebd
 
 
 
 
▲ジャック・マルタン『アリックス:最後のスパルタ人(Alix, Le Dernier Spartiate)』原画8。
© citebd
 

世界各国の現代作家の作品世界

 
 
▲ジャン・ジロー『ブルーベリー、棺桶のためのバラード(Blueberry, Ballade pour un cercueil)』原画58。© citebd
 

 博物館は、現在活躍中の作家たちの紹介にも力を入れています。スイスの作家ゼップ(Zep)の作品の登場人物ティトゥフ(Titeuf)は子どもたちに大人気です。タルディ(Tardi)の作品は、もう少し大人向けで、『アデル・ブラン=セック(Adèle Blan-Sec)』は、リュック・ベッソン(Luc Besson)によって映画化されることが決まっています。イランの作家マルジャン・サトラピ(Marjane Satrapi)の自伝的な物語『ペルセポリス(Persepolis)』は、映画化されて国際的にも知られています。そのほか、トロンダイム(Trondheim)、日本ではメビウス(Mœbius)の名で知られているジャン・ジロー(Jean Giraud)、エンキ・ビラル(Enki Bilal)、ジョアン・スファール(Joann Sfar)など、アングレーム国際漫画フェスティバルでグランプリを受賞した作家たちも紹介しています。

コレクションを楽しむユニークな企画展

 博物館ではユニークな企画展も開催されます。「100人による100点」と題された展覧会は、世界各国の漫画作家100人に、博物館のコレクションから1点を選び、その作品からインスピレーションを得た原画を描いてもらうというものです。

 
 
▲「100人による100点」展。ふたつの作品が向き合うように展示してある。
 
 
 
▲ジョアン・スファールの『ラビの猫:第1巻:バル・ミツヴァー(Le Chat du Rabbin ,tome1, La Bar Mitsva)』原画9、Dargaud出版、2002年/「100人による100点」展。© Joann Sfar
 
 
 
▲インドの作家アムルタ・パティル(Amruta Patil)のオマージュ/「100人による100点」展。
© Amruta Patil
 

 漫画は長い間、文学や美術の後塵を拝してきました。しかし、今や漫画は「第9芸術」と呼ばれ、アートとしての確固たる地位を築きました。漫画のさまざまな流派、ジャンルを代表する作品をひととおり展示するこの博物館は、漫画という表現形式の独創性と多様性を発見することのできる場所なのです。

Update : 2010.4.1
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アングレーム国際 漫画フェスティバル

フランス漫画博物館(国際フランス漫画館内)
  • 所在地
    121 rue de Bordeaux
    BP 72308
    F-16023 Angoulême cedex
  • Tel
    +33(0)5 45 38 65 65
  • URL(国際フランス漫画館)
    http://www.citebd.org/
  • 開館時間
    <9〜6月>
    火-金曜日:10 : 00-18 : 00
    土・日曜日:14 : 00-18 : 00
    <7・8月>
    火-金曜日:10 : 00-19 : 00
    土・日曜日・祝日: 14 : 00-19 : 00
  • 休館日
    月曜日、1/1、5/1、12/25
  • 入館料
    <常設展>
    一般:4ユーロ
    割引料金:3ユーロ
    <企画展>
    一般:3ユーロ
    割引料金:2ユーロ
    <常設展+企画展>
    一般:6ユーロ
    割引料金:4.5ユーロ
*18歳以下と、15人以上のグループの付き添いの方、障害のある方の付き添いの方は無料です。また、9月から翌6月までの毎月第一日曜日は無料です。
MMFで出会えるフランス漫画
アングレームのその他のミュゼ

▲アングレーム紙博物館。
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