MMFwebサイトでは、今月から2回に渡って「パリ近郊の中世の街」をシリーズで特集します。シリーズ第1弾ではパリから北へ42キロ、ルネサンス様式の美しい古城で知られるシャンティイ(Chantilly)に程近いサンリスの街をクローズアップ。5年間の改修工事を終え再開館したばかりの「美術・考古学博物館」をはじめとする見どころとともに、古い城壁に囲まれた情緒溢れる街の魅力をご紹介します。
中世の美しい街並みを残す、パリ近郊の街サンリス。パリから日帰りで訪ねることのできる便のよさと、歴史を感じさせる景観が魅力のこの街は、多くの映画人を惹きつけてきたことでも知られています。古い石造りの建物が軒を連ね、石畳に覆われた通りは、頻繁に映画の撮影現場となってきました。近年ではサンリスに暮らした素朴派の女性画家、セラフィーヌ・ルイ(Séraphine Louis/1864-1942)を描いた伝記映画『セラフィーヌの庭』(2008年)の舞台となったことでも注目を集めました。
サンリスの歴史は今から2千年前のガロ=ロマン時代にまで遡ります。軍事的な要所であったサンリスに、蛮族の侵入を防ぐために厚さ4メートルの城壁が築かれたのは3世紀のことでした。城壁の側面は28の塔で固められ、現在もそれらの半数以上が城壁とともに残されています。さらに12世紀には、街の拡大にともないフィリップ2世(Philippe U/1165-1223)によって新たな城壁が築かれ、サンリスは2重の城壁に囲まれた堅牢な街となりました。
そして987年、カペー朝の祖であるユーグ・カペー(Hugues Capet/940頃-996)がこの地でフランス国王に選出されると、“王家の街”としてのサンリスの歴史が始まります。その後16〜17世紀のアンリ4世(Henri W/1553-1610)の治世まで数世紀にわたり、サンリスはフランス国王の滞在地として、その地位を保ち続けました。ルイ6世(Louis Y/1081-1137)が12世紀に再建した王宮は、今もサンリスの古い城壁を背にその遺構を残しています。
王宮の目の前に建つノートルダム聖堂は、12世紀から16世紀にかけて建造された、サンリスのゴシック建築の象徴です。またユーグ・カペーの妻アデライード王妃(Adélaïde d'Aquitaine/945-952頃-1004)によって建てられたサン=フランブール礼拝堂や13世紀にルイ9世(Louis \/1214-1270)の命で建てられたサン=モーリス小修道院など、街にはフランス王家ゆかりの歴史的建造物が数多く残されています。
- アクセス
パリ北駅よりSNCFで約30分のシャンティイ駅下車。シャンティイより15番のバスに乗りUsine des Eauxで下車。
バス時刻:
http://www.oise-mobilite.fr/ - 観光案内所 URL
http://www.senlis-tourisme.fr/
- 所在地
Musées de Senlis Place Notre-Dame 60300 Senlis - Tel
美術・考古学博物館:
+33(0)3 44 24 86 72
スパイ博物館、狩猟博物館:
+33(0)3 44 26 15 50 - URL
http://www.musees-senlis.fr/ - Eメール
musees@ville-senlis.fr - 開館時間
・美術・考古学博物館
月曜日・木曜日・金曜日:
10:00-12:00、14:00-18:00
水曜日:14:00-18:00
土曜日・日曜日・祝日:
11:00-13:00、14:00-18:00
・スパイ博物館、狩猟博物館
火曜日:14:00-18:00
水曜日・木曜日・金曜日:
10:00-12:00、14:00-18:00
土曜日・日曜日・祝日:
11:00-13:00、14:00-18:00
※狩猟博物館上階は、平日の午後、週末の午前・午後に一時間おきのガイド付き見学。 - 休館日
・美術・考古学博物館
火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
・スパイ博物館、狩猟博物館:
月曜日、1月1日、5月1日、12月25日 - 入館料
3つの博物館の共通券:
一般4ユーロ、割引2ユーロ
各博物館:一般3ユーロ
- B1Fインフォメーション・センターでは、サンリスの関連書籍を閲覧いただけるほか、パンフレットをご用意しております。
*情報はMMFwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は博物館ホームページでご確認いただくか、MMFにご来館の上おたずねください。
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