現在のミュルーズ・プリント生地博物館のコレクションは、1833年にミュルーズ産業学会(Société Industrielle de Mulhouse)に集った実業家たちによって収集されたものがその礎です。実業家たちは、地元のテキスタイル・デザイナーのイマジネーションを刺激しようと、まずはミュルーズの価値ある上質なテキスタイル製品を保存していくことを決定。コレクション開始からほどなくして外国の製品や、時代の異なる製品も同様に集められるようになると、コレクションの量は膨れ上がり、1857年にはそれらを収めるための「工業デザイン博物館(Musée du Dessin Industriel)」が創設されました。当時、博物館はテキスタイル・デザイナーだけに公開され、そのコレクションは、多くのアーティストのインスピレーションの源となりました。
第二次世界大戦が始まると、工業デザイン博物館は閉館を余儀なくされましたが、終戦から10年が経った1955年、さらに増え続けるコレクションを収蔵、一般公開するための新しい博物館の構想が練られます。そしてボンヌ・ジャン(Bonnes Gens)通りにある19世紀末建造の建物に、産業学会の膨大なコレクションの一部が収容されることが決定しました。これが現在の「ミュルーズ・プリント生地博物館」です。ここではテキスタイル・デザイナーだけでなく、一般の人々にもコレクションが公開されるようになりました。
博物館のコレクションは600万点ものテキスタイルのサンプル、布、シーツ、スカーフ、ショールなどを含む5万点近いテキスタイル製品で構成されています。18世紀の特権階級の優雅なコスチュームから現代のTシャツまで、貴重なものから身近なものまで、ヴァラエティに富んだ内容です。
クリエイターたちにインスピレーションを与えるという博物館の姿勢は、19世紀のコレクションの収集開始から現在まで変わることがありません。1833年より受け継がれている生地のサンプルの膨大なコレクションは、現在もなおデザイナーやアーティストたちを魅了し、世界中のクリエイターがこのミュルーズ・プリント生地博物館へとやってきては、新たなデザインを生み出しています。
博物館では豊富なテキスタイルのコレクションを紹介する常設展、企画展のほかに、木版を使用した印刷のデモンストレーションや、印刷を実際に体験できるアトリエ、コンサート、ガイドツアー、子ども向けのイベントと、さまざまな体験型の企画を用意しています。またブティックでは、書籍類はもちろん、ストールをはじめとした魅力的な装飾品の数々がそろいます。
![]() ©Le Musée de l'Impression sur Étoffes |
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- 所在地
14, rue Jean-Jacques Henner-BP 1468-68072 Mulhouse cedex - Tel
+33(0)3 89 46 83 00 - Fax
+33(0)3 89 46 83 10 - URL
http://www.musee-impression.com - 開館時間
10:00-12:00、14:00-18:00
*12月の毎週月曜日は午後のみ特別に開館 - 休館日
月曜日、1月1日、5月1日、12月25日 - 入館料
一般:7ユーロ
割引料金:3.5ユーロ
12〜18歳:3ユーロ
- B1Fインフォメーション・センターでは、ミュルーズ・プリント生地博物館の関連書籍を閲覧いただけます。

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