「セザンヌ2006」開催を機に画家の魅力を知る
 
今年はポール・セザンヌが没してから100年目にあたる節目の年。
画家が愛した故郷プロヴァンスでは、その偉大な功績をしのび「セザンヌ2006」
(ポール・セザンヌ没後100周年記念事業)の開催準備が着々と進められています。
この一大プロジェクトを機に、近代から現代にいたる美術史上、
もっとも偉大な画家のひとりであるセザンヌの魅力やその作品世界に近づいてみませんか?
画家が愛した故郷で開催される「セザンヌ2006」
 
「ルーヴルは参照すべき良書のような場所ですが、それも単なる仲立ちに留めるべきです。本当に取り組まなければならない驚くべき研究とは、変化に富んだ自然の光景なのです」。
 65歳のセザンヌは、画家で年下の友人、エミール・ベルナールにあてた手紙にこう記しました。そしてその2年後の1906年、故郷エックス・アン・プロヴァンスで67年の生涯を閉じます。自然を唯一の師とし、独自の画風の確立に没頭したセザンヌ。
▲『トロネ街道から見たサント・ヴィクトワール山』 油彩 73.3x92.1cm
Le Mont Sainte-Victoire au-dessus de la route du Tholonet
The Cleveland Museum of Art, Legs de Leonard C. Hanna Jr., 1958.21
©The Cleveland Museum of Art
彼は死の数日前まで、エックスにそびえるサント・ヴィクトワール山に向かい、絵筆を握り続けていたといいます。画家に多大なインスピレーションを与えたもの──。それは故郷の自然にほかならなかったのです。
「セザンヌ2006」
は、そのプロヴァンスで開催される一大プロジェクトです。なかでも注目を集めているイベントが、エックス市立のグラネ美術館で6月から行なわれる「プロヴァンスのセザンヌ」展。世界各国に散らばった画家の作品計110点が、故郷の美術館に初めて里帰りすることになりました。さらに展覧会に先駆けて4月からは、セザンヌ一家が所有した別荘ジャズ・ド・ブッファンなど、ゆかりの地の一般公開も始まる予定です。
 故郷を愛する画家の想いが塗りこめられた名画と、その美の源泉となったプロヴァンスの両方を満喫できる「セザンヌ2006」。 “近代絵画の父”が心を動かされたプロヴァンスの美が、1世紀の時を越え、変わらぬ姿で私たちの目の前に出現します。
▲セザンヌが晩年を過ごしたローヴのアトリエ
©Photo Jean-Claude Carbone
▲6月から「プロヴァンスのセザンヌ」展が開催されるエックスのグラネ美術館
©Jean-Claude Carbone
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巨匠たちがあこがれたセザンヌの魅力に触れる
 
 マティスはパリの画廊で目にしたセザンヌの『水浴画』を購入するために、生活を切り詰め、ピカソは「僕の唯一の先生だった」とセザンヌを賞賛しました。20世紀の二大巨匠に絶賛された類まれな才能。しかし、親しみやすい絵を残したルノワールなどと異なり、理論的に構築されたセザンヌの作品世界には、一種の“わかりにくさ”を感じる方もいらっしゃるかもしれません。「セザンヌ2006」はそんな画家の“神秘”を解き明かす、またとない機会にもなるでしょう。この一大プロジェクトの開催にともない、画家に関する分かりやすい書籍や資料なども刊行されています。
「プロヴァンスのセザンヌ」展が開催されるグラネ美術館の館長が著した「子どもに語るセザンヌ」は、写真と図版が満載の1冊。子ども向けに書かれた本ですが、デザイン性も高く、大人もじゅうぶんに楽しめます。さらに、エックス・アン・プロヴァンス観光事務局では、エックスの市内地図がついた日本語のガイド「セザンヌの足跡を追って─あふれるインスピレーション」を制作。画家ゆかりの地をていねいに紹介しているので、「セザンヌ2006」にぴったりのガイドです。これらの資料をはじめ、過去に開催されたセザンヌ展のカタログやフランス語・英語・日本語による数々の文献は、MMFインフォメーション・センターで閲覧することができます。また、画家の生涯はもちろんのこと、「プロヴァンスのセザンヌ」展の情報からゆかりの地の詳細まで、「セザンヌ2006」の情報が満載されたホームページがMMFによって日本語版にローカライズされています。
「セザンヌ2006」をきっかけに、“近代絵画の父”をより身近に感じてみませんか? マティスやピカソがあこがれ、また多大な影響を受けた画家の魅力を発見できるはずです。
▲「子どもに語るセザンヌ」
▲「セザンヌとピサロ」展カタログ
▲「セザンヌの足跡を追って─あふれるインスピレーション」
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▲63歳ごろのセザンヌ
Photo Gaston Berheim
「CEZANNE 2006」おもなイベントスケジュール
  4月から始まるイベントの一部をご紹介します
2006年4月
  ジャズ・ド・ブッファンビベミュスの石切場の公開
ローヴのアトリエに加え、セザンヌが40年近く暮らした「ジャズ・ド・ブッファン」と壮大な景観の「ビベミュスの石切場」が新たに一般公開されます。
2006年6月
  「マルチ・メディアで楽しむセザンヌ」(グラネ美術館)
「プロヴァンスのセザンヌ」展に先駆けて行なわれるセザンヌ入門イベント。マルチ・メディアを駆使した斬新な企画です。
2006年6月9日〜9月17日
  「プロヴァンスのセザンヌ」展開催(グラネ美術館)
「セザンヌ2006」の中心イベントとなる大規模な展覧会。油彩から水彩まで計110点もの作品が故郷に里帰りします。
また、グラネ美術館に先駆けてアメリカのワシントン・ナショナル・ギャラリーでは1月29日から3月7日まで「プロヴァンスのセザンヌ」展が開催されます。
   
主催者の都合により、イベントの内容・日程等は変更になることがあります。
 
  CEZANNE 2006
   
エックス・アン・プロヴァンス基本情報
フランス南東部,ブーシュ・デュ・ローヌ県の古都。ローマ時代から温泉地として栄え、多くの泉が湧くことから「泉の都」とも呼ばれます。
交通
 
空路 パリのシャルル・ド・ゴール空港からマルセイユ・プロヴァンス空港まで約1時間。市街までバスで約30分。
鉄道
パリ・リヨン駅からTGV南東線でエックス・アン・プロヴァンスTGV駅まで約4時間。さらに市内まではシャトルバスで約20分。
マルセイユのサン・シャルル駅から在来線でエックス・アン・プロヴァンス・ヴィル 駅まで約40分。
  詳しくはフランス政府開発機構まで
MMFインフォメーション・センター
画家にまつわる書籍や資料を集めた“セザンヌコーナー”を設け、「セザンヌ2006」をより楽しむためのお手伝いをしています。
MMF主催サロン講座サロン・デ・ミュゼ・ド・フランス第4回「セザンヌ―生動する画面」2月16日(木)申し込み受付中
本江邦夫先生(府中市美術館館長 多摩美術大学教授)による興味深いお話が好評のシリーズ講座。第4回は待望のセザンヌが登場します。
詳しくはこちら
 

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