2008年、市立モンテベロ美術館の常設展が閉鎖（現在は企画展のみを開催）されると、1993年に開催された回顧展を機に特設された「サヴィニャックの間」も同時に閉められました。しかし美術館が所蔵しているサヴィニャックの作品は、美術館の別館でもあるトゥルーヴィル観光局内の「ギャラリー・デュ・ミュゼ」に移され、常時展示されています。

　549点のポスター、17点の原画を保管するギャラリー・デュ・ミュゼでは、定期的に作品を入れ替えながら、さまざまな企画展を開催しています。現在、1階の展示室では、サーカスやアクロバットを題材にした企画展「どんちゃん騒ぎ(Quel cirque)！」を開催中（会期：2011年12月31日まで）。そこでは、トゥルーヴィル市のために描かれた《綱渡りの夜》(1985年)の原画をはじめ、約60点のポスターを見ることができます。

　また 2階の展示室には、サヴィニャックがこの地に移り住んでから仕上げた原画約10点とポスター約20点が展示されています。中には「ポスターの舞踏会」展や「トゥルーヴィルにおけるサヴィニャック」展のポスターの原画なども含まれています。また、市が製作したサヴィニャックの貴重なドキュメンタリー映像(1986年)も上映されているので、画家のトゥルーヴィルでの生活やポスター制作に取り組む作業風景を目にすることができます。