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モンマルトル散策 Montmartre
  「ムーラン・ルージュ」「ラパン・アジル」「洗濯船」……
パリ北部に位置するモンマルトル界隈には、
マネやルノワール、ピカソ、ロートレック、モディリアーニといった
19世紀末を生きた芸術家たちが愛した酒場やアトリエが今も残ります。
パリ爛熟の時代の面影を探して、モンマルトルの小道を散策してみませんか。
©Andreas Licht
 
印象派の本拠地だったモンマルトル
▲ルノワールらのアトリエ跡に建てられたモンマルトル美術館。
©Andreas Licht
 フランスの近代絵画に画期的な一歩を記した印象派の画家たちは、モンマルトルに集いました。この地が多くの芸術家を引き寄せるようになったのは1870年代からといわれ、マネ(Éduard Manet)を中心にドガ(Edgar Degas)、ルノワール(Pierre-Auguste Renoir)、セザンヌ(Paul Cézanne)、モネ(Claude Monet)などが当時クリッシー通りにあった「カフェ・ゲルボワ(LE CAFE GUERBOIS)」にたむろし、モンマルトルの丘のふもとのピガール通りにあった「ヌーヴェル・アテーヌ(NOUVELLE-ATHENES)」も印象派の画家が常連となっていました。
ゴッホ(Vincent van Gogh)も弟のテオとモンマルトルに住んでいたこともありました。19世紀末になるとロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec)が「ムーラン・ルージュ」や「シャ・ノワール」といったピガール街のキャバレーを描写した作品を多く残します。ここは文字通り、パリの芸術の最先端を感じさせてくれる場所だったのです。
▲19世紀後半のモンマルトルの賑わいを描いた
ルノワールの『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』
1876年 オルセー美術館蔵

©Photo RMN -©Jean-Gilles Berizzi/digital file by DNPAC
     
ピカソやモディリアーニ、今も残るその逸話
▲モンマルトルに移り住んで間もない、ピカソ。1904年
©Photo RMN -©Jean-Gilles Berizzi/digital file by DNPAC
 1900年に万博が開催されると、パリは世界に近代都市としてのイメージを誇示することに成功し、芸術の分野においても注目を集めます。そしてこの時代、絵を学ぼうと外国からパリにやってきたアーティストの卵たちがモンマルトルを目指しました。20 世紀初頭にスペインからパリにやってきたピカソ(Pablo Picasso)は1904年から5年間、エミール・グードー広場にある「バトー・ラヴォワール(洗濯船)」と呼ばれる集合アトリエに住んでいました。オリジナルの建物は残念ながら1970年の火災で消失しましたが、建て直されて現在もアーティストのアトリエとなっています。ここにはオランダ人のヴァン・ドンゲン(Kees van Dongen)や詩人のマックス・ジャコブ(Max Jacob)もいました。ピカソはここでアンリ・ルソー(Henri Rousseau)を囲むパーティーを開いたこともあります。
また後にピカソとキュビスムを発表するブラック(Georges Braque)も近くに住んでいました。彼らのたまり場だったのが、現在もシャンソン酒場として有名な「ラパン・アジル」です。モンマルトルの丘に住むアーティストの誰もが顔を出したと言われ、1906年にパリに出てきて2年ほどモンマルトルに住んだモディリアーニ(Amedeo Modigliani)もここで女性とデートしたことがあるとか。
▲集合アトリエ「バトー・ラヴォワール(洗濯船)」
©Andreas Licht
▲シャンソン酒場「ラパン・アジル」
©Andreas Licht
この酒場での逸話はカルコ(Francis Carco)などが本にまとめています。
     
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Update: 2007.5 田中久美子(Kumiko TANAKA/文)/Andreas Licht(写真)
モンマルトル
1860年にパリ市に編入。パリ北部の丘陵地、18区に属する。19世紀末から20世紀にかけて、画家や作家、詩人など多くの芸術家たちが住居やアトリエを構えた地として知られ、今も彼らゆかりの場所が数多く残されている。
ポンピドー・センター所蔵作品展 「異邦人たちのパリ1900〜2005」
国立新美術館のオープン記念展覧会。国内最大級規模、14,000m2の展示室に、ピカソやシャガール、モディリアーニ、藤田嗣治ら、20世紀初頭のパリに集まった外国人画家の絵画をはじめ、写真家ブラッサイやマン・レイの作品など、ポンピドー・センターが誇る所蔵品が結集する。
▲国立新美術館
所在地
 
2007.2.7-2007.5.7
会場
 
国立新美術館
所在地
 
東京都港区六本木7-22-2
Tel
 
展覧会に関するお問い合わせ
03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会URL
 
http://www.asahi.com/
開館時間
 
10:00-18:00
※但し、金曜日は20:00まで
(入館は閉館の30 分前まで)
休館日
 
火曜日(但し5/1は開館)
観覧料
 
一般:1,500円
大学生:1000円
高校生:800円
中学生以下無料
▲アメデオ・モディリアーニ『デディーの肖像(オデット・ヘイデン)』
▲マン・レイ『黒と白』
   

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