ポンピドー・センター 大解剖 ポンピドー・センター フロアマップ 異邦人画家が集った パリのカフェ ポンピドー・センター 館長インタビュー ポンピドー・センター 館長インタビュー
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去る1月21日、東京・六本木に国立新美術館がオープンしました。
その開館記念として開催され、話題を集めているのが、
ポンピドー・センター所蔵作品展『異邦人たちのパリ1900〜2005』。
MMFでは、今展覧会のコミッショナーを務めたポンピドー・センター学芸員の
ジャン=ポール・アムリン氏にお話をお伺いし、同展開催の舞台裏や出品作セレクトのポイント、
さらには日本の芸術家たちが近代芸術に与えた影響などについて語っていただきました。
▲ジャン=ポール・アムリン氏。
MMF: 東京での展覧会に出品する作品をどのように選びましたか。
アムリン氏(以下J-P. A):二者と相談して選びました。まずは館長のアルフレッド・パックマン(Alfred Pacquement)。実は東京のオープニングとパリのポンピドー・センター30周年の大幅な展示替えの日程が重なったのです。そこで、パリと東京と、両方の展示を同時に考える必要があったのですが、どちらの展覧会も美術館のコレクションに見合ったものにするために、作品を両方に振り分けました。
それから、今回の展覧会の主催社である朝日新聞社とも相談しました。展覧会コンセプトは「パリの外国人芸術家」でしたので、日本でも有名なフジタやモディリアーニ(Amedeo Modigliani)といった作家の作品を展示するのはもちろんですが、それだけでなく、現在に至るまでのフランスの外国人作家もご紹介したかったのです。そういうわけで、ピカソ(Pablo Picasso)から今日まで、すべての時代の作品を展示し、フランス人の作品がないという逆説的な展覧会が実現しました。フランスに帰化した作家も含まれますが、「パリの外国人」芸術家に光を当てた展覧会です。
 私たちは、外国人芸術家がどのようにパリにやってきて、どんな人たちとつきあい、パリでどのように自分のスタイルをつくりあげていったかという点に注目しました。そのスタイルは、フランスの伝統と対立しながら出来上がっていったのか、あるいは伝統に近づこうとしたのか、それともパリ風でもなく自分の国のものでもない国際的なスタイルをつくろうとしたのか。そして、どのようなタイミングで芸術家たちは自分たちのルーツに回帰しようとしたのか。出身国の文化への回帰現象は、現在パリを拠点とする芸術家たちによく見られることで、彼らは時として中国やアフリカなどパリからとても遠い国の出身です。この展覧会が、パリの外国人芸術家の歴史や彼らの持つ様々な関心事を概観すると同時に、国立近代美術館のコレクションの概要をお見せするようなものになることを望みます。そのため、展覧会には、絵画からビデオまで異なる技法の作品を広範に選び展示しています。
▲ポンピドー・センター所蔵作品展『異邦人たちのパリ1900 ̄2005』に出品されたモディリアーニの《ディディの肖像(オデット・ヘイデン)》1918年頃。
     
▲ポンピドー・センター所蔵作品展『異邦人たちのパリ1900 ̄2005』に出品されたウィリー・マイワルドの《ディオール》1952年。
MMF: 展覧会の準備について教えてください。どのくらい時間がかかりましたか?
J-P. A:約2年です。といってもその間この展覧会の準備にかかりっきりになっていたわけではありません。ポンピドー・センターでの展覧会、コレクションのカタログ執筆など、いつも複数のプロジェクトを同時並行で進めておりますので。朝日新聞社、国立新美術館の日本の方々とのコラボレーションは非常にうまくいきました。作品の選択に関してコメントをいだだくこともあり、時にはこの作品を足した方がいい、減らした方がいいとリクエストをいただくこともありました。そして私たちはいつもご意見に沿うように努めました。こうした協力関係は大変重要です。日本側の要求に応えるよう努力をすると同時に、こちら側から提案もしました。こうしたやりとりをすることで、展覧の準備は発展していったのです。例えば、はじめは1940年代で止めようと考えていましたが、結局、戦後、現代まで見せることが重要だと考えるようになりました。
 
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Update: 2007.5
ジョルジュ・ポンピドー 国立芸術文化センター
所在地
 
75191 Paris Cedex 04
Tel
 
+33(0)1 44 78 12 33
URL
 
http://www.cnac-gp.fr/
開館時間
 
11:00-22:00
美術館および展示室:
11:00-21:00
(カウンターは20:00まで)
アトリエ・ブランクーシ:
14:00-18:00
図書館:12:00-22:00(平日)、11:00-22:00(土、日曜日)
休館日
 
火曜日、5月1日
入館料
 
受付、カウンター、および当日プログラムにて案内。
美術館は18歳未満および毎月第一日曜日は無料。
アクセス
 
メトロ ランビュトー(Rambuteau)、オテル・ドゥ・ヴィル(Hotel de Ville)、シャトレ・レ・アル(Châtelet-les Halles)各駅下車。
  ポンピドー・センター所蔵作品展 「異邦人たちのパリ1900〜2005」  
国立新美術館のオープン記念展覧会。国内最大級規模、14,000m2の展示室に、ピカソやシャガール、モディリアーニ、藤田嗣治ら、20世紀初頭のパリに集まった外国人画家の絵画をはじめ、写真家ブラッサイやマン・レイの作品など、ポンピドー・センターが誇る所蔵品が結集する。
会期
 
2007.2.7-2007.5.7
会場
 
国立新美術館
所在地
 
東京都港区六本木7-22-2
Tel
 
展覧会に関するお問い合わせ
03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会URL
 
http://www.asahi.com/
pompidou/
開館時間
 
10:00-18:00
※但し、金曜日は20:00まで
(入館は閉館の30 分前まで)
休館日
 
火曜日(但し5/1は開館)
観覧料
一般:1,500円
大学生:1000円
高校生:800円
中学生以下無料
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