ポンピドー・センター 大解剖 ポンピドー・センター フロアマップ 異邦人画家が集った パリのカフェ ポンピドー・センター 館長インタビュー ポンピドー・センター 館長インタビュー
開催から現在まで 今後の活動について 日本語 Francais
ポンピドー・センター館長 ブルノ・ラシーヌ氏へのインタビュー
パリを訪れた際にはぜひとも行っておきたい場所の一つポンピドー・センター。
しかし、名前や建物の知名度に対して、その中身―作品の収集・展示、
研究、クリエーションの場を統合したユニークな文化コンプレクスだという
こと―はあまり知られてはいないのではないでしょうか。
ブルノ・ラシーヌ(Bruno Racine)館長にポンピドー・センター30年の歩みと、
今後の展望について伺ってみました。
©Andreas Licht
開館から現在まで

▲ブルノ・ラシーヌ館長。
©Philippe Biancotto, 2007

MMF:ポンピドー・センターの開館は、フランスにとって非常に大きな出来事だったと思います。はじめは、その外観が物議を醸したそうですね。フランス人はポンピドー・センターをどのように受け入れてきたのでしょうか。来館者の反応は30年間で変化しましたか。
ブルノ・ラシーヌ氏(以下B.R):ポンピドー・センターは1977年、パリ中心の歴史的な地区に姿を現し、その斬新な建築が人々に視覚的ショックを与えました。

そのインパクトはとても強く、はじめは論争があったものの、すぐにパリの中でも最も来場者の多い場所のひとつになりました。ポンピドー・センターはレ・アール地区のみならず、パリ全体を活性化させるのに大変重要な役割を果たしています。今日ではエッフェル塔や凱旋門、ルーヴル美術館に次いで、フランス国内外から、最も多くの観光客が訪れる場所となっています。
 
MMF:来館者の層は変化しましたか。
B.R:私たちの調査によると、ポンピドー・センターの来館者の中心を占めるのは、若者や教養のある人、文化活動に積極的な人です。ポンピドー・センターには毎年500万人(一日平均にすると18,000人)の人が訪れますが、その3分の2が35才以下で、高等教育を受けた人です。また、地域別にみると、3分の2がパリ圏、19%がフランスのほかの地域から、15%が国外からの来館者です。
▲ポンピドー・センター。
©Philippe Biancotto, 2007
ポンピドー・センターは、若者の教育プログラムに力を入れており、国内のみならず国外でも大きな成功をおさめています。現在は、11才から18才向けのプロジェクトが進行中です。このプロジェクトでは、イノベーション、デザイン、動きといったコンセプトに基づく多目的スペースをつくり、そこで造形芸術、ダンス、音楽、映画、さらにはビデオ・クリップやデジタル技術を用いた新しい映像などが交差する予定です。プログラムは、若者が現代の作品やアーティストと出会うことを目的としてつくられています。

MMF:開館以来、ポンピドー・センターはどのように発展してきましたか。
コレクション、さまざまな活動、政策などについて教えてください。

B.R.:国立近代美術館のコレクションは、1960年代末にはフランスの作家に限られていました、それがやがてヨーロッパやアメリカの作家の作品へと広がり、現在ではヨーロッパで最も重要な近現代美術のコレクションとなっています。世界的な規模でみても、ポンピドー・センターと肩を並べるのは唯一ニューヨーク近代美術館(MoMA)だけです。30年間で、5000人の作家の60,000点近い作品(絵画、デッサン、彫刻、建築、デザイン、写真、フィルム)を所蔵するに至りました。

研究に関しては、これまで美術史を中心としており、IRCAM(ポンピドー・センター管轄の音響音楽研究所)が音楽のクリエーションを行っていましたが、2006年にIRI(技術革新研究所)を設立することで、研究の分野に新たな地平を開きました。IRIでは、デジタル技術による新たな可能性を取り入れ、観客に新しい鑑賞ツールを提供するべく、映画から舞台芸術、造形芸術まで、さまざまな分野について研究します。特に、PDA、携帯電話、メモリーフラッシュなど新しいコミュニケーション技術を活用していく予定です。
 
ページトップへ
12 次のページへ>
Update: 2007.5
ジョルジュ・ポンピドー 国立芸術文化センター
所在地
 
75191 Paris Cedex 04
Tel
 
+33(0)1 44 78 12 33
URL
 
http://www.cnac-gp.fr/
開館時間
 
11:00-22:00
美術館および展示室:
11:00-21:00
(カウンターは20:00まで)
アトリエ・ブランクーシ:
14:00-18:00
図書館:12:00-22:00(平日)、11:00-22:00(土、日曜日)
休館日
 
火曜日、5月1日
入館料
 
受付、カウンター、および当日プログラムにて案内。
美術館は18歳未満および毎月第一日曜日は無料。
アクセス
 
メトロ ランビュトー(Rambuteau)、オテル・ドゥ・ヴィル(Hotel de Ville)、シャトレ・レ・アル(Châtelet-les Halles)各駅下車。
  ポンピドー・センター所蔵作品展 「異邦人たちのパリ1900〜2005」  
国立新美術館のオープン記念展覧会。国内最大級規模、14,000m2の展示室に、ピカソやシャガール、モディリアーニ、藤田嗣治ら、20世紀初頭のパリに集まった外国人画家の絵画をはじめ、写真家ブラッサイやマン・レイの作品など、ポンピドー・センターが誇る所蔵品が結集する。
会期
 
2007.2.7-2007.5.7
会場
 
国立新美術館
所在地
 
東京都港区六本木7-22-2
Tel
 
展覧会に関するお問い合わせ
03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会URL
 
http://www.asahi.com/
pompidou/
開館時間
 
10:00-18:00
※但し、金曜日は20:00まで
(入館は閉館の30 分前まで)
休館日
 
火曜日(但し5/1は開館)
観覧料
一般:1,500円
大学生:1000円
高校生:800円
中学生以下無料
MMFで出会えるポンピドー・センター
MMFインフォメーション・センターでは、公式ガイドブックから過去に開催された展覧会カタログなど、ポンピドー・センターに関する書籍を閲覧いただけます。
 
詳しくはこちら>>
 

*情報はMMMwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は観光局ホームページ等でご確認いただくか、MMMにご来館の上おたずねください。