パリの現代アート1 ラ・トリエンナーレ〜パレ・ド・トーキョー〜 La Triennale Palais de Tokyo

4月20日から8月26日まで、パリでは現代アートの祭典「ラ・トリエンナーレ(La Triennale)」が開催されています。MMFでは今月から3回にわたり、「パリの現代アート」を特集します。その第1弾は、グローバル化、そして多様化するフランスのアートシーンにおいて「今日の制作」の意味を問いかける「ラ・トリエンナーレ」の模様をレポート。また、今年4月にリニューアルオープンし、「ラ・トリエンナーレ」のメイン会場となっている「パレ・ド・トーキョー(東京宮)」もご紹介します。パリジャンだけでなく、世界中のファンが注目する、今、最も新しい現代アートシーンに出会えるスポットです

パリで開催される現代アートの祭典「ラ・トリエンナーレ」

▲現代美術に関する書籍が充実した書店。一見普通の看板だが、よく見るとこれもアーティストの手による作品

 「ラ・トリエンナーレ」は、パリで3年に1度開催される現代アートの祭典です。以前は「Force de l'art フォルス・ド・ラール(芸術の力)」といわれていたイベントで、パリで開かれる現代アートのイベントでは最大級のものです。今回はリニューアルしたばかりのパレ・ド・トーキョーをメイン会場とし、グラン・パレやルーヴル美術館でも展示を行っています。参加するアーティストは世界各国から100名を超え、中にはまだ20代の若いアーティストの名前もあります。

 パレ・ド・ドーキョーの会場では世界各国からの観光客も見られますが、美術学生のような風貌の若者たちがふらっと学校帰りにやってくるような、そんなオープンな雰囲気が感じられます。広いエントランスホールにもインスタレーションがあったり、ちょっとした看板などもアーティストの手による作品だったりと、どこを見ても力強い創造力が感じられる会場です。

 会場入口には「Médiateur(メディアトゥール)」と呼ばれる各国語を話す案内係が待機するスペースがあり、そこでガイドを頼むこともできます。

 1階には主に比較的小型の絵画作品などが展示されています。特に目を引くのがネオンや光を使った大型のインスタレーションで有名なトルコ出身のアーティスト、サルキス(Sarkis/1938-)の作品。写真や映像、彫刻などの多様なオブジェが、ネオンを通して不思議な一体感を生み出しています。

▲1階の展示ホールには絵画などの小型の作品が展示されている
▲ネオンなどの光を使った大型のインスタレーションが有名なサルキスの作品
▲1階の展示スペース

 1階だけでも相当な広さで、かなり見応えがありますが、地下にはさらに広大なスペースが広がっています。特に地下1階はセーヌ河に面した光溢れる大ホールと、天井の高い展示室で構成されています。地下スペースではインスタレーションはもとより、映像や音を使った作品など、多様なメディアを通して、見る人が参加できるような作品もあり、興味は尽きません。

▲広大な地下1階の展示スペース。手前にはカフェがある
▲扇風機の風で天井から吊るされた服などのオブジェが舞う。刻一刻見え方が変化するのが面白いアネット・メサジェ(Annette Messager/1943-)の作品《Motion/Emotion》
Update:2012.8.1 文・写真:中澤理奈(Lina Nakazawa)
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ラ・トリエンナーレ La Triennale

  • 会期
    2012年4月20日〜8月26日
  • 会場
    パレ・ド・トーキョー他

パレ・ド・トーキョー Palais de Tokyo

  • 所在地
    13, avenue du Président Wilson, 75
  • Tel
    +33(0)1 81 97 35 88
  • URL
    http://www.palaisdetokyo.com/
  • 開館時間
    12:00-24:00
    (12月24日、12月31日は18:00まで)
  • 休館日
    火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
  • 入館料
    一般:8ユーロ
    割引料金:6ユーロ
  • アクセス
    地下鉄9番線のIéna駅またはAlma Marceau駅下車

MMFで出会えるパレ・ド・トーキョー

*情報はMMFwebサイト更新時のものです。予告なく変更となる場合がございます。詳細は美術館ホームページでご確認いただくか、MMFにご来館の上おたずねください。

 

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