2012.2.17(金)
ジェーン・バーキンの微笑みに出会える、
ポーラ ミュージアム アネックス
「“BABY ALONE”-JANE BIRKIN par SHOICHI KAJINO-」
銀座一丁目にあるポーラ ミュージアム アネックス。そこで3月11日まで「“BABY ALONE” -JANE BIRKIN par SHOICHI KAJINO-」が開催されています。フランスに興味がある方は勿論のこと、フランスそのものには興味がなくてもジェーン・バーキンは知っている、という方も多いはず。女性憧れのエルメスのバーキンバッグでもおなじみですね。彼女の名前を世界中に広めることとなったのは、フランスの大スター、セルジュ・ゲンズブールとの大恋愛でしょうか。
その彼女を長く撮り続けているのが梶野彰一(かじのしょういち)氏です。とても穏やかな印象の梶野氏は1970年生まれ。フォトグラファー、雑誌「流行通信」のエディトリアルデザイナー、多くのCDジャケットも手がけるアートディレクターとして活躍中です。10代の終わりにパリに魅せられて以降、セルジュ・ゲンズブールの存在により、フランス文化の信奉者になった、ともお聞きしました。そして東京とパリでジェーン・バーキンを撮り続け、ステージを記録し続けています。ジェーン・バーキンの魅力、フランス文化とのかかわりについてなど、展覧会会場で梶野氏にお話をうかがいました(作品保護のため会場内の写真が全体的に暗めです。)


MMF(以下M):ジェーン・バーキンを撮り続けていて、カメラのレンズ越しに彼女を見ていて感じた点をひと言で言うとどんなことでしょうか。
梶野:ひと言で言うならば、彼女はこの写真に写っているままの人、ということでしょうか。カメラを向けてもこの表情、カメラを向けていない時でもこの表情、なのです。「ウラオモテのない人」と言ってしまえばそういうことでしょうか。
M:彼女を見ていて、どのような点でセルジュから影響を受けたとお思いになりましたか?
梶野:その点に関しては彼女がゲンズブールと一緒に写っている時の表情を見てください。この展覧会ではセルジュと一緒に彼女が写っている写真だけを集めたコーナーも作りましたので、そこでぜひ二人の表情を見ていただければと思います。

M:どの写真を見ても、ファッションアイコンでもある彼女が独特のファッションセンスによって、身に着けるものを選んでいるのがよく分かります。実際に彼女を見ていてその独特のセンスを特に感じるのはどういったスタイルでしょうか。
梶野:やはり、作品の中にもたびたび出てくる、この白いシャツスタイルではないでしょうか。素敵だと思います。

M:今回の展示作品の中で一番お好きな作品を選んでいただけませんか。
梶野:難しいですね(笑)。でもやはり、ジェーン・バーキンが祈るような表情でこちらを見つめているこの作品でしょうか。これは昨年3月11日の東日本大震災の際に、非常に胸を痛め、大好きな日本のために何かしたい、と体調がずいぶん悪かった時なのに、急遽来日して渋谷でライブを開いた時に舞台下から撮影したものです。

M:では最後に、梶野さんはジェーン・バーキン以外で、フォトグラファーとして今後どのような被写体に挑戦したいと考えていらっしゃいますか。
梶野:もう既に数名、フランスのミュージシャンなどを撮っています。フランスに住んだことはありませんが、フランスにかかわっているものが撮りたい。フランスで「あ、この人」と感じるものがある人を追いかけたいですね。


穏やかな語り口調の梶野さん。ジェーン・バーキンも梶野さんだからこそ、プライベートも見せているのかもしれない、と感じる穏やかさと、クリエイターとしての鋭さを併せ持つ方、という印象を受けました。梶野さんがこれからどんな被写体を追っていくのか楽しみです。
ジェーン・バーキンが梶野彰一氏にしか見せない自然な笑顔がとらえられています。
パリのおしゃれなご自宅で愛犬とくつろぐバーキンさんの姿は、今年の1月撮影した最新のポートレートです!
コンサートのステージ上での孤高のバーキンもかっこ良くて見どころです。
会期中無休で夜8時まで開館しています。
是非お越しください!
[FIN]

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