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[番外:パリ探訪編]
2012.2.1(水)
ひとときスターになった気分を味わってみませんか。
「スタジオ アルクール パリ」。


昨年7月に東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催されていた「スタジオ アルクール パリとフレンチシネマ−77年の神話と軌跡」。MMFの「銀座界隈アートスポット巡り」でもその展覧会の様子をご紹介しましたが、今月はそのパリのスタジオに訪問したレポートをお送りいたします。
パリ8区。スタジオ アルクール パリのあるこのエリアは、シャンゼリゼから少し入った場所にある、パリでも有数の高級住宅街。周辺には世界的なブランドのブティックが立ち並び、グラン・パレやプチ・パレなどのミュゼもあり、パリならではの華やかさを実感することのできるエリアです。
スタジオ アルクール パリは外からは見えません。呼び鈴を押し、中から開けてもらったドアの向こうにはいかにもフランスらしさを感じさせる中庭が広がり、赤いじゅうたんの階段がスタジオ アルクール パリへと続く入り口になっています。


正面では女優のキャロル・ブーケの迫力ある写真がゲストを出迎えます。そしてエントランスから続くレセプションスペース。ここでもたくさんの有名人の写真に囲まれ、気分が高揚してくるのを感じます。
スタジオ アルクール パリは1934年、パリで誕生。「フランスにおいては、スタジオ アルクール パリでポートレートを撮影しないうちは、スターではない」。フランスの思想家ロラン・バルトはその著書の中でスタジオ アルクール パリをこう評しています。
何がそこまで人々を魅了するのか。今日は日本人スタッフの坂本京子さんにご案内いただきながらスタジオ アルクール パリの魅力に迫ります。
スタジオ アルクール パリでは、勿論スターではない一般人であるわたしたちでも写真を撮ってもらうことができます。まずは予約時に撮影の要望(顔のアップか上半身か、カラーかモノクロか等)を伝え、撮影からポートレート受け取りまでのスケジュールを決定します。


当日はプロのメイクアップアーティストが、まるでスターさながらのメイクを施してくれます。その際に使用するのがこのゴージャスなメイクルーム。椅子はカトリーヌ・ドヌーヴが実際に映画の撮影時に使用したものだそうです。「衣装はご自分が普段身に着けていらっしゃるものの中から、できるだけシンプルなものを選んで持って来ていただいています」と坂本さん。日頃身に着けているものを使用することでその人の持つ美しさが自然に出るのだそうです。


取材にうかがったこの日はちょうど撮影の準備をしていたこともあり、スタジオ アルクール パリの特徴を感じるために、ライティングのモデルになってみました。実際にカメラの前に座ってみて感じたことは、その照明の強さです。映画と同じ照明、ライトは10〜15台、「ライティングによって顔を彫り上げていく」のがスタジオ アルクール パリの最たる特徴、ということがこのライティングのプロセスを体験してみることでとてもよく理解できました。フォトグラファーはライティングによって、被写体の魅力、真の表情を最大限に引き出す作業を続けていくのです。


スタジオ アルクール パリを創設したコゼット・アルクールは「お抱え画家が家族の肖像画を描いていたのと同じように、写真による“肖像画”を残す時代がやって来たのだ」というインスピレーションを得て、スタジオ アルクール パリを設立したといいます。スタジオに展示してある数々の写真は、まさに「現代の肖像画」であることと感じました。
スタジオ アルクール パリでは1934年の創業以来変わらぬスタイルを一貫して守り続け、照明機材による持続的ライティングをもって最高のポートレートを実現いたします。その歴史はここを訪れたパリ社交界の人々、政界財界の人々、作家、文化人、俳優女優たちに彩られ、今日なおスタジオ アルクール パリの「伝説のサイン」の入ったポートレートを求めて、フランス中からお越しになる方が後を絶ちません。
もはやフランス流アール・ド・ヴィーヴルのひとつの体験とも言えるこのポートレート撮影を、日本の皆様にも楽しんでいただきたいと願っております。
ご不明な点ご予約等はどうぞ日本語でお問い合わせください。
皆様をお迎えできる日をスタッフ一同心よりお待ちしております。
坂本京子(スタジオ アルクール パリ 日本市場開発担当)
[FIN]

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